2015年10月26日月曜日

『Bike in the sky』#3 語り継ぐ乗りモノ

こんにちは。

T‐PADDOCK630のタツミです。

『Bike in the sky』も今週で3回目です。
本日もいつものネタの月ヶ瀬での写真も付けて、すすめてまいります。

前回は、インスタ(Instagram)についてお話しをさせていただきましたが
少し、つづきで「インスタのその後」です。

先週の頭に当サイトにもアップしております「DUCATI MH900e」を載せました。
すると、あれよあれよという間に「いいね!」が入りました。
それまでは旧車のCB系が強かったのですが、「いいね!」数 を一瞬で
抜き去られておりました。

まるで実車と同じです。
いつもCB750で峠道を走っていると後ろからドゥカやR1、RR、GSX等の
レプリカに抜いていかれる様子と被ってしまいました。

とは言っても、私のCBは今の時代では低レベルの走り、インスタも「いいね!」
の数が精々、一画像60ちょいと、これまた低レベル発信ですので、
まぁ抜かれて当然なのですが・・・
それより、旧車好きの方を集めるようにキーワードを絞ってるにもかかわらず
DUCAの人気はちょっとビックリです。

まぁ、そんな調子ですがインスタは、けっこう世界の方のいろんな画像が
楽しめてなかなか面白いです。
是非、皆さんも一度、インスタの世界を覗いて観てください。

さて、本題の今回の『Bike in the sky』は、インスタに負けず劣らず
月ヶ瀬や針テラスに集まる世界のバイクの溜まり場?の様子です。

ここ月ヶ瀬には画像のバイクの他にAGUSTA、aprilia、bimota、halleyなどなど
国際色豊かなバイクや日本の名車と言われるバイクが毎週、土日に現れます。
その、今回の画像のバイク。
左がBMW HP という奈良在住のN氏所有の高級バイク。
そして、右が同じく奈良在住のT氏所有の1980年頃のDUCATI 900SS.
このDUCATIも今や高級バイク。

前段でも書きましたがインスタでもDUCA人気の事もあり、また私は旧車好き
という事で、このDUCATI  900SSについてちょっと書きたいと思います。

今のここ数年のDUCA人気の立役者とも言うべきL型ツインエンジン搭載のバイク。

Lツインを思い浮かべる時、誰しもがあの1978年、マン島で開催されたTTレースに
おけるマイク・ヘイルウッドの優勝を記念して発表された
MHR(マイク・ヘイルウッド・レプリカ)モデルを思い起されるでしょう。
また、ベテランライダーにあっては、イモラ200マイルに出場したワークスマシンの
メタフレーク・シルバーを印象付ける750SS(イモラ・レプリカ)や画像の
900SSを忘れ去ることはできないはずです。

しかし、これらのモデルの原点にあるのは、レースの輝かしい栄光や華やかな
スターライダーの話題ではなく、堅実で革新的な理論を持ったエンジニアである
「F・タリオーニ」の存在であることを認識しておくのもDUCAファンとして大切です。

このLツインのプロトタイプの発表は1969年。
当時、ヘッドにあのデスモドロミックを採用せずシングルカムに2バルブな
シンプルメカであったとのことです。
それでも1972年の750sportには圧縮比9:1からさらに高め、デロルト製40mmの
キャブを装着して210/kmの最高速をカタログに掲載されておりました。

そして1973年において、圧縮比9.65:1とし最高出力も73ps/8800rpmまで
引上げられ「イモラ・レプリカ」と命名された伝説の名車750SSのプロトタイプが
発表されました。
このモデルこそがデスモドロミックを最初に量産車に搭載したLツインで
あったわけです。

そして1975年に市場が大排気量化する時代向けに下記スペックの排気量を
拡大した画像の900SSが誕生することになります。

排気量 864㏄
圧縮比 9.5:1
最高出力 73ps/8300rpm

1912年に開発されたデスモドロミック機構を自ら設計したベベルギアにより開花
させたタリオーニ。
時代の流れを先取りする彼のアイデア(定義=ソフト)によるベベルギアも、いまや
ハードウェアとしてはコッグドベルトに姿を変えて次の時代へと継承されております。

しかし、彼の唯一のこだわりとなったソフトである熱効率の向上への定義は、
誰の手にもその姿を変えられていないことはスゴイと思わざるを得ません。

こんにちまで当たり前に聞こえる4サイクル理論をタリオーニは、既に40年も
前に実践していました。

1960年代初め頃に輝かしいレーシングモデルの開発から退きながらも、なおも
彼は量産モデルに色褪せることのない輝きを残してくれたと思います。
それは、今後も多くの人に永遠に語り継がれるでしょう。

そして、ここで今ひとつ思う事は、車もバイクも効率の視点が「ただ燃焼」から
さらに「環境と燃費」という視点に変ってきており、乗り物のフォルムが燃費向上
の為、すべてが流線形になりデザインの差異化が失われてるように感じます。

また、デスモドロミック機構を設計したタリオーニのような後世に語られる
ようなアイデアではなく、コンピュータ制御の進化による様な効率が話題に
なっているよな気がします。

なんとか製造業では材料関連でスゴイ材質を考える方はおられるようですが・・・・

このままでは、今の乗り物の凄さ?を後世に語るとき、タリオーニの様な
職人的な人ではなく、またデザインもLツインを載せて如何に美しく魅せるか!?
ということを考える人ではなく・・・

ひょっとして 「IT関係の技術者?(ビルゲイツ?ジョブス?グ-グルのラリーペイジ?
みたいな人)」に取って代わっているのかもです。

さらに恐れるのは、そういった人たちが「俺たちィ~、クルマなんていらねぇしィ~」
なんてことを思いながら車やバイクを作っていることです。

なんとしても、それだけは避けたい思い(重い)です。

ではまた。

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