2015年12月21日月曜日

『Bike in the sky』#14 CL77…久々のエンジン解体が・・・

こんにちは。

T‐PADDOCK630のタツミです。

今回の『Bike in the sky』はCL77のエンジン解体の様子をお送りします。

今回のエンジンの解体作業はCB750K0以来、おおよそ10年ぶりの作業になります。
果して、最後まで組み上げてエンジンがかかって走れるのか!?

楽しみに(失敗すれば「人の不幸は蜜の味!」でそれはそれでオモロイかも・・・)
お付き合いください。

では画像を追いながら様子をリポートします。

上の画像は、まずエンジン本体を定盤作業台の木枠に載せたところです。

ここで本来はエンジンスタンドやエンジンハンガーという治具的なモノを使用するのですが
私の場合、画像の木枠でCB750も含め全ての解体に長年、使用した万能治具です。

一番の利点は、50cc~750㏄まで全てに対応でき、木製ゆえ滑りにくいのと取り回しの時
そして各パーツを分離させる時など、プラスチックハンマー(プラハン)でエンジン本体を叩いたり
する場合に衝撃を緩和してくれます。(これは素人の見解ですのでご注意ください)

次の画像
ヘッドカバーを取り外したところ

ヘッドカバーはすんなり外せたのですが、画像の様にガスケットが綺麗に剥がれず部分的に
本体に固着してしまっております。

これは、年末の大掃除をするより“メンドクサイ”なかなか厄介な作業になりそうな予感をさせます。

やはり、旧車によく見受けられる経年ゆえの乾燥状態でこうなったのだと思うのですが
他の箇所も、たぶんこうなっているのだろうと察する事ができます。


上の画像
順次、エンジン周りを解体していきます。

ここまでは、各内部は綺麗な状態。
右の画像のクラッチ側カバーのガスケットパッキンは予想に反して固着しておらず、
すんなり取り外し。

そして下の画像
シリンダーヘッドを外した状態。

ここまでは全く問題なく進行。

画像にあるエンジンから垂れ下がっているカムチェーンですが、ヘッド加工だけの作業の場合は
このチェーンがクランクケースに落ちないよう本来はチェーンの両端に針金などで引っかけて
その針金をシリンダースタッドボルトに掛けておきます。

今回は全バラをしますので、その処置は省略です。
それよりも、このカムチェーンの伸びの計測をして再使用するか、チェックが求められます。

また次の画像
シリンダーヘッドに続き、ブルートレイの画像下のシリンダーをエンジンから抜き取ったところ。

画像では簡単に抜き取れたように映ってますが、実はこのシリンダーを抜き取るのに
ちょっと一苦労でした。

それはこのシリンダーとクランクケースの間のガスケットが完全固着で先ほどのプラハンで
叩こうがガスバーナーで炙ろうが“ウン”とも“スン”とも、全く分離する気配もありませんでした。
上の画像のブルーのバーナーが簡易バーナー。

そして、同画像下の真ん中が止む無く使う、超極薄スクレーパー。
それが今回、登場!

その超極薄スクレーパーをシリンダーとクランクケースの隙間の無いところの
ガスケットに食い込ませる感じで“カチッ”とあて、今度は金属ハンマーにてスクレーパーの
柄の頭を“コンコン”と叩いて抉じ開けていきます。

シリンダー、クランクケース双方を傷をつけてはいけないという事で慎重に作業を続け
約20分ほどで分離完了。

そして、今回の作業の“最も手こずるのでは!?”と予測しておりますカムシャフトの取り外し。
何とか、取り外した画像ですが・・・

画像の右側の小さい4枚のトレイ。
これは各排気、吸気側のロッカーアームと各バルブスプリング、各コッター類です。

また、その画像に付いておりますエフ札!

各ロッカーアームに付けておりますのは組み上げる時に念の為、吸気側左を「IN・LEFT」と
それぞれをマークしておけば混乱しないで済みます。

また経年のため、ロッカーアームとカムとの相性もできていると思いますので・・・
(あまり関係ないかもわかりません)

問題は左の大きいトレイのカムシャフト。

そのカムシャフト。1本の単体のシャフトではなく3分割になって組み立てられており
それを分解するのが・・・
上の画像
バルブ周りは、この画像のバルブスプリングコンプレッサーという特殊工具を使い簡単に終了。

ところがシャフトの取り外しはバルブ周りのようにはいかず、トレイに入ってる3分割にした
真ん中のカムスプロケットの右に付いてる、ちょっと蔭になって見難いですが20㎜超の
ロックナットがあります。

そのロックナットを緩める作業ですが、このナットは左回りか、右回りで緩むのか?
また、緩めるに当たってシャフトが空回りするのでスプロケの歯を空回り止めになるよう
何かを噛ませるにしても左回りでか、右回りでかを判断しなければなりません。

そこで、いつもの「凄腕バイク屋」にてレクチャーを受けることに・・・

結局、進行方向にカムシャフトが回る事から逆ネジにてロックされる仕組み。
普通とは逆の右に回して緩めることになりました。

しかし、この緩めるにしても完全にロックされておりましたのでカムスプロケットに木片を噛ませ
3番の大きめのマイナスドライバーをロックナットのスプライン状に切ってある溝にあて、
あとは鉄ハンマーでコンコン叩いて緩めることができました。

まぁ、今回の第一段階の作業はこんな感じでしたが、これからがまだまだ難題が出てくると
思われます。

まず、次の問題!

エンジンを開けてみて現在、入っていたピストンがスタンダードより0.25㎜大きい
オーバーサイズピストンが入っておりました。

ということは既に一度ボーリングがされてた訳ですが、当T‐PADDOCKが所有するスペアの
ピストンも0.25㎜の同サイズで、これでは全く使えず、求めるのは0.5㎜以上のピストン!

今やCB77系のオーバーサイズピストンは希少アイテム!
特に0.5㎜サイズは超希少!

海外でも見つけるのは困難!
あってもリプロの偽物の可能性大!(本物の純正の様に見せかけてボられることも・・・)

さ~て、どうするか!?
いきなりのピンチ!

また眠れぬ夜が・・・どうする?どうする?・・・

それではまた!

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