2017年5月11日木曜日

『Bike in the sky』#90 またまた懲りずに旧車・・・

こんにちは。

GWも終わりバイクに思いを寄せながら、世のライダーもまた仕事を頑張る日々が続きます!

って、筆者は365連休なる身上!
なのでバイクに勤しみながら仕事に思いを寄せる・・・皆さんとは逆のスタンス!

その逆というところから、選ぶバイクも1970年を境にドンドン古い方へ向かっています。

T-PADDOCK630の所有するバイクで最も古い年代のバイクが・・・
GW最後の日の月ヶ瀬に駆りだしたNSU Sport max改!

新旧、250ccレーサーレプリカの競演!
画像左は1990年頃の”新”でもないのですがNSUよりは35歳ほど若い月ヶ瀬信者の浅〇さんのYAMAHA TZR!
当のNSUは推定ですが、年式的に1955年前後。(関連記事は「Bike in the sky」#83

35年の歳月は技術進化で「ここまで違うか!?」と、時代の流れがハッキリわかる年代差です!

そして、新旧を問わずバイクの楽しみで絶対的なものは、やはり「乗って楽しい・・・」が筆頭かと思います。
その「乗って・・・」には人それぞれで、「とにかく早い・・・」や
「マフラーからの排気音が・・・」などなど、どれも理解できることばかりです。

しかし、現役を引退した筆者には上述のこともあるのですが、そこには今一つ物足りなさを感じます。
それが、ここ最近の「手こずる・・・」って感情です!

当然、手こずらない方が良いのですが、筆者の言う「手こずる・・・」は整備不良でエンジンがかからない
などの「手こずる」を指してはいません。

できる限りキチッと整備もし、セッティングなども、できる限りベストを探すなど一通りの努力もして・・・
例えばエンジンの始動時、セル一発で・・・では面白くもなんともです。

それより、前日の晩から「明日の朝は、ちゃんとかかってよォ~!」とドキドキしながら眠りにつく・・・
まるで、小学生が運動会前日の寝る前の高揚感にも似た感情・・・
この感情は、ややもすると寝不足になる事もしばしば!

このNSUは真冬を除けば、エンジンはすこぶる?快調!
では、何が手こずるか!?

先ほどのエンジンの始動です。

単気筒の250ccですが、元々の車両がレース専用で使われていたこともあり、ピストンが超ハイコンプ用の
まるで富士山の形をしたようなヘッドの形状。

さらに、シリンダーヘッドのバルブスプリングが今時のスプリングではなく、バルブと直角に配された
それも極太の超強化スプリング!
このスプリングの脱着は1人では行えない、まさに「手こずる」です!
(上の画像はノーマル車のサービスマニュアル。この図であれば1人で作業はできる?とは思いますが・・・)

当然ながら”セル”なる近代兵器は装備されておらず、伝統的なキックのみの始動方法!
なので、始動時が最も気をつかいます。

何に気をつかうのか!?
それは単気筒、高圧縮で想像される通り、いわゆる”ケッチン”!

”ケッチン”とはキックペダルを踏み下ろしたときに、点火タイミングが合わずピストンが”てっぺん”まで
登りきれない状態で点火することによりピストンが一気に下がる逆回転現象!
よって、キックペダルは逆回転するクランクシャフトを介して跳ね返ってくる非常に危険な現象!

60年代では、このケッチンで足首を骨折する人もおりました。

筆者の経験では1969年に乗ってましたヤマハの初期型DT-1で何度かケッチンを喰らい
右足クルブシの薄い表皮を横にあった木箱で骨が見えるほど、えぐられた痛い思い出があります。

初期型DT-1の点火は自動進角によるものではなく点火タイミングが固定されているモノ!
よって、始動時に点火タイミングに合わせるような強い踏力で一気に踏み込まないと返り討ちに遭うごとく
”ケッチン”の洗礼を受けることになるのです!

NSUの点火はキチッとタイミングも合せているのですが上死点を正確に探ってキックによる踏み込みの
ストロークを大きく取らないとDT-1同様の”ケッチン”を喰らいます。

おかげさまで、このNSUでは左キックという力の入れずらいことも手伝って、一度大きなケッチンに見舞われました。
その際、左足のふくらはぎがステップに当たりお肉を少し削られてしまいました。

それでも、儀式のような手こずる始動を克服している征服感が、また何とも快感なのです!

その手順を簡単に書けば・・・
①キーをオンにし、キャブレターのチョークを引く。
②ピストンの上死点を探すため、デコンプレバーを引いてキックペダルを軽く踏みながら数回のクランキング。
③上死点であろうところから、デコンプレバーを引いた状態で軽くキックペダルのトップから若干ペダルを下げる。
④ここで、デコンプレバーを放し、キックペダルを踏み込む。

すると・・・エンジンはかかる・・・であれば良いのですが・・・

今回も駆りだす前日は、5、6回のキック踏み踏み儀式でかかりましたが、エンジンをかけられた喜びは別格!

その甲斐あって当日の朝は、ほぼ一発で始動!
早速、お決まりの月ヶ瀬に向かうことに・・・
やはり、GW最後の休日!
月ヶ瀬は、バイカーがとっかえひっかえ、たくさん・・・

そして、本日は始動も走りも快調なNSUでガレージに引き返したところ・・・
T-PADDOCK630の ”.com car(ドットコム・カー)"が参戦報告?に・・・
三重支局長のトランポのリアゲートに特大のステッカー!
「しっかり宣伝してよォ~!」と・・・

そのステッカーで同じくGW中に・・・
左の奈良ポルシェのメカニック、江〇さん!

元々ホンダのメカニックだったのですが、「憧れのポルシェをさわりたい・・・」と数年前にポルシェに転職!
若干26歳のまだまだ若い夢多き青年!

そんな若い青年の夢を応援するため、当T-PADDOCKのマッハお買上げの写真右、高〇さんと居酒屋で。

「そんなにポルシェが好きやったら、本国ドイツへ行って武者修行したら・・・」
と無責任な壮行会を催すことに・・・

無責任な応援をするのは楽しいもんです!
「頑張ってちょ!」

とか言いながら、こちらも頑張ってホッたらかしのモンキーを仕上げなくては・・・
と、先週末から組立再開!

以前にエンジンは組めていたので、先ずフレームに載せることに・・・
そして、
フロント周りをドッキング!

今回はレストアではなく、各部所のオーバーホールとプチカスタムのお遊び!
テーマはネイキッド・カフェ?

ハンドルはモンキーでは、あまりやらない”一文字”!
トップブリッジはガレージ内のガラクタから合うモノ見つけたのですが、ノーマルのシャフトが長すぎる。
よって長すぎるサイズをベアリング仕様にすることでドンピシャ解消???

次にキャブレターの装着!
キャブは現在、Nauty Daxに装着しているPC20を試験的に流用!
ここで一旦、始動確認!
エンジン内にフラッシングオイルを入れ、洗浄を兼ねてエンジンをかける!

チョークを引いてキックを数回踏んだところで・・・・
「パラパラパラ・・・」と一気にエンジンが目を覚ます!

思わず・・・「よっしゃぁ~!」
この瞬間は750ccのCBであっても、モンキーであっても、スコブル気持ちのいいもので
精神的にスゴク充たされた感を味わえます。
「エンジンが、かかった!」と確認できればあとの作業は、ドンドン進んでいきます。
メインハーネス等、電装類の取付!

もう、ここからは秒読みで仕上がっていきそうな雰囲気です。
と、思っているところで問題が発覚!

それはハンドルを一文字仕様にしたことでフロントのブレーキレバーがつけられない!
この型のモンキーのブレーキレバーのマウントはハンドルと一体型。
よって、一文字ハンドルには当然、マウントはない!

さて、どうするか!?

であれば先に燃料タンクの取付を考えているところで、また問題発覚!
燃料コックのゴム類がパキパキ状態で使用不可!

う~ん、ゴムを探さなくては・・・と何気に燃料タンクのキャップを開けると嫌な予感!
案の定、次の問題が・・・
タンク内に新たな錆が出始めている!

仕上げまで秒読み段階のはずが・・・気を許したせいで一気に逆回転!

まさに”ケッチン”を喰った感じ!

さて、まだ、ひと月ぐらいはかかるかも・・・

ではまた!
T-PADDOCK630 T/Tatsumi

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