2024年7月25日木曜日

『Bike in the sky』#397 ガレージライフの楽しみとは・・・

マジで暑い!

マジで身体が溶けそうだ!

やはり地球温暖化の影響?

だ、そうだが、その温暖化の原因は北極の氷が解け、太平洋等の海水も高温になって・・・

と、言われているが、さらにその原因は?というとCO₂が増えたからとされる

ではCO₂が増えた原因は?となるとクルマやバイク、工場等の排気ガスと帰結する

遠因的ではあるが、バイクやクルマ好きは地球環境にたいへん迷惑をかけていることになる

よって、自身は地球環境を守る為に乗り物から足を洗おうと思う

そこにはT-PADDOCK630の乗り物が環境に優しくない古い乗り物が多い事も起因している

だが、このまま化石車的な蔵車を野放しにすると、もっと迷惑をかけることになる

一先ず、排ガスで迷惑にならないよう、ちゃんと走る状態にしなければ・・・

ということで先週からのW1とNSUの後日譚だ

先ず土曜日のW1
早朝であったが溶けそうな気温でも無事に月ヶ瀬には辿り着けた

アイドリング時から100km/h、その上の少々高速までも、ほぼ完璧に走りは戻ってきた

そして毎度の月ケ瀬では
誰ひとりW1の様子を聞いてくれることもなく、ひとり寂しくウジウジしていた

そう思っていた時、先週の記事でW1で引き返した時のコメントに月ヶ瀬ライダーのShi〇さんが・・・

「みんなの心配具合が半端なかったですよ!」連絡をくれた

そう聞かせれると、それはそれで嬉しくなる天の邪鬼なジジィになるのだ

そして日曜日のNSUなのだが・・・

先週まではクラッチプレートの張替えをしたところで終わった
4枚ともカチカチに乾いたので早速、月ヶ瀬から戻った午後に取付け作業

取付けてガレージ近くを試走するも・・・

なんとスタートでダッシュ感を体感できるバイクに変身しているではないか!?

そこには・・・

チョットした小細工を仕掛けてみた

というより微妙なセッティングなのだが・・・

たぶん、たまたまだろう

だが、万が一を想定して
クラッチプレートが走行中、飛んでいかないようカバーを取り付けた

たぶん、このNSUを手に入れてから初めてカバーをしたと思われる

そんな調子で明くる日の日曜は軽快に月ヶ瀬まで行った

ところが、その日の早朝

毎度の阪奈道路を奈良方面に向かい、途中の教育大に向かう分岐手前で・・・

対向車線でプリウスらしきクルマが中央分離帯にある背の高い照明ポールに激突し、そのポールをなぎ倒し真横向きに止まっていた

そしてフロント周りが大破したエンジンルームからは白煙が上がっている

事故を起こした間際に自身は遭遇した様で、プリウスの残骸が広範囲に飛び散り、周りには同じく遭遇した数台のクルマが現場手前で止まっていた

自身は徐行しながら現場横を抜けようとしたが、プリウスの傍まで来たところで助手席から這いずる様に若い兄ちゃんが腹辺りを手で押さえながら苦しそうに転げ落ちてきた

「わぁ~、えらいもん見てしもた!」と思いながら自身はさらにゆっくり進むと今度は運転席から同年代ぐらいの人が運転席の開いたドアに左腕が引っ掛かる様に、また右腕は地面に指先が着くかどうかでブランブランした状態で完全に意識を無くしているように見受けられた

事故現場では遭遇したクルマを除き、プリウスと絡んだクルマはいなかった様に見えた

そんな状況で、当該プリウスが事故ったとすると早朝ゆえ居眠りか、または朝まで飲んでて酔っ払ってたか

また憶測では絡んだクルマは居たが、そのクルマは現場から逃げたか・・・

とにかく謎が多い事故と思った

早朝から、けっこうヘビーな事故を見ると快調に走ってきたNSUの戦意は一気にトーンダウンだ

そんな事情でチンタラ、チンタラと月ヶ瀬に着いた

だが月ヶ瀬からの帰りは超蒸し暑い中でも快調にNSUは走ってくれた

そしてガレージ近くまで戻って来た時、NSUの右側から時折「ジャラ…シャラ…」と、何かが擦れるような音が・・・

戻って早速、確認すると
チェーンが伸びてスイングアームに干渉していた

「また手間な仕事を作ってくれるのう」と思たが・・・

NSUのチェーンテンショナーは超石器時代の上画像のエキセントリックな偏心タイプで前後のスライド範囲が僅か20mmほど

確認すると、すでにテンショナーの位置は目一杯の最後尾まで下がっていた

ならば残る手段はカットするしかない
久々の出番だ

専門メーカー、TAKASAGO製のチェーンカッター兼カシメ用の特工だ

久々の出番だったが一コマを抜き取るだけでも、これが思うほど簡単ではない

カットするチェーン・コマのピンを特定し、サイドのカシメ部分をグライダーで削り落としてからカッターで抜く

まぁ、文字にすればこんな事だが・・・

一先ず、なんとか抜けた
上画像で、カットした部分の下にチェーンの一コマ分がある

この一コマが実は苦労するのだ

その苦労を承知で・・・

上述した通りNSUのチェーンテンショナーの許容範囲は0mm~20mmほど

だがカットしたコマの長さは
先ほどの抜いた1コマ分だが両端のピンホールの芯から芯の長さは約32mmほどだ

とすれば理屈では、以前の伸びたチェーンの弛み分(上下の幅)が三角関数でチェーンの長さに置き換えれば、なんとか32mm-20mm=12mmは吸収できるはず

そんな屁理屈で一か八かでカットした

案の定、取り付ける時はパツパツでチェーンを引っ張っての時は工夫が必要だった

そして取り付けられた
屁理屈のサイン、コサイン、タンジェントのお陰でセットできた

しかし、チェーンテンショナーのセットされた位置は最前方
おまけにチェーンの弛み上下巾は箇所によって20mm~30mmと、やや大きい差がある

この差はNSUが約70年前に生産されたことを理解し納得するとしておこう

それもあるが次回のチェーン交換時は、もう少し細番手をチョイスすべきだろう

だがスプロケも別注で手配をしなければならない

ここは経済の合理性に鑑みて検討しなければならない事になる

そんな合理性に叶った事に「Buell復活作業」の 最終章が訪れた

ほぼほぼ仕上がったHig〇さんのBuell
いよいよオイルタンクにオイルも注入して

ガソリンタンクも着け

エキパイもセットして

点火系も取り回しに注意を払い

エンジンをかける
無事に始動した

その後、暖気を終え回転も上げていった

スムーズに回転していたが、しばらくすると「キュル、キュル・・・キュル・・・」と異音が出たり消えたり・・・

ドクターは「う~ん」と渋い表情

原因は「エンジンの抱き着き寸前まで乗ったことによる後遺症だろう」としていた

そんなところに当該BuellオーナーのHig〇さんもお見えになって、今回の仕上りでドクターと話し合っていた

結論として

「乗るのには問題ないが、しばらくは自重気味で乗ってほしい」とコメント

「もし、この異音を消すならばエンジンをバラシてピストン、シリンダー、その他の関連パーツを更に替えるしかない」

「もしくは、いっそエンジンを乗せ換えた方がコスト的にも得策かも」となった

協議の結果、Hig〇さんに決断を仰ぐことになり、Hig〇さんは

「オッケー、このまま乗って様子見るわ!」

という事で長らく綴ってきた「Buell復活作業」は本編をもって終了となった

その後、最後のドクターからの気になる箇所でサスペンションのガタの整備
Buellのサスペンションはエンジンの真下にレイアウトされた特異なタイプ

そのダンパー部とコイル部分の片方にガタつきがあったのでドクターの所有するパーツと交換することに
交換にしばらくの時間を要して終了となった

そしてT-PADDOCK630ガレージの片隅で公道に復活する日を待つBuellが待機している

今回の「Buell復活作業」記事は5月9日の「当ブログ#386」から始まった

あっという間の2カ月半だったが実際のIsh〇ドクターの作業日は、ほぼ土日の二日のみで12週に渡る

延べ日数では約24日

毎回午後1時から夕方4時頃までをT-PADDOCK630ガレージを賑わせてもらった

その中では最終日にもあったが他の月ヶ瀬ライダーの参加や、たまにはご近所のバイク好きも参加して大いにガレージ内は笑い声が響いていた

普通に考えればT-PADDOCK630のような大型ガレージは本来は不要だろう

だが、今回のようなイベント的に利用してもらえると自身が目指していた理想のガレージライフが過ごせたと感謝している

さて次のお客様は・・・

T-PADDOCK630 T/Tatsumi

2024年7月18日木曜日

『Bike in the sky』#396 往年のW1S、その次の患者は?

梅雨もやっと明けるようだが、これからもっと暑くなると思うとウンザリだ

その梅雨の残る先週土曜、月ヶ瀬へは雨対策も兼ねてKLシェルパで行った

幸い、雨に打たれることなく往復を無事に走ることができた

次の日の日曜も天候は怪しかったが前日がクリアできたので、ノーマルキャブに戻したテスト走行のW1で月ヶ瀬に向かった
だが、阪奈道路に入って一路、月ヶ瀬を目指した東生駒インター辺りでポツポツと雨が降り出してきた

なんとも皮肉な天候だ

昨日は雨を用心してKLで行ったが雨は降らなかった

ならば当日も雨は降らないだろうと、W1で出陣すると雨が降ってきたではないか

よほど、お天道様はW1に自身を乗せたくないのか

とにかく嫌な雰囲気であることから無理をせず、引き返すことにした

その帰りの阪奈道路、頂上の信号待ちでアイドリングが微妙に不安定な感じ

「うん?」

なんか嫌な予感がしたが・・・

信号が青になって走りだすと特に何もない様子で無事にガレージに戻ってきた

ガレージに戻ると家人が心配して

「どうしたん?またバイク壊れたん?」

「また・・・」とは余計だと思ったが

「いや!雨が降り出してきたんで引き返した」と告げると

「それやったら、ちょっと手伝って欲しんねん!」と言う

そんな事情で月ヶ瀬詣では、家事手伝いに化けてしまった

そんな家事手伝いを終えた10時頃だったか、

ガレージに「ドッ、ドッ、ドッ」と重量級のバイクの音が近づいて来た

「どうしたん?なんかあった?」と、Ish〇ドクターが月ケ瀬の帰りに心配して寄ってくれた

「いやいや、ご心配頂いて恐縮です」と言いながら・・・

「東生駒辺りで雨が降り出したんで引き返してん」と釈明

するとドクターは

「いやぁ~、昨日、月ヶ瀬行く言うてたのに来えへんから心配するやん!」だった

先週もNSUのクラッチ滑りでYamg〇さんも心配でガレージに寄ってくれた

昨年のCBでの転倒以来、自身は周りから常に見守られているようで、ご心配を頂いている

だが、こんな調子では75歳までのあと3年間、もとまにバイクに乗れるのかぁ・・・不安だ

その不安で当日「W1が阪奈頂上でアイドリングが微妙に・・・」と書いた
そこがどうしても気になるのでキャブを再度、点検をすることにした

まずキャブの調子を診る時、自身は必ずプラグの焼け具合を診る
案の定、薄ピンク色のほぼ白に近い焼け具合

それを見て「あっ!ヒート気味やったかぁ」

その背景には以前のプラグは「B7ES」でキャブのニードルクリップの位置も一番下の上から5段目のまま、数回のテスト走行をした
(この「5段目のまま」とは相当以前にFCRに換えた時のままという意味)

それが案の定、プラグは左右とも真っ黒けだった

よってクリップ位置を上から3段目の真ん中に変更して、当日の阪奈走行をしたというわけだ

一番下から真ん中の変更で「プラグの焼け具合が、こうも変わるか!?」と、ちょっと驚きだった

そんな事情でクリップ位置は下から2番目の上から4段目に左右を変更

そしてプラグの熱価も・・・
少し話題は逸れるが、上のベアリング専用ラックは今から18年前、自社がアメリカ進出時に店内備品としてアンティーク物を調達するためボストンのフリマに出向いた

その時、職権乱用?で自身のガレージ用オブジェもついでに買ってきたレア物?なのだ

ただ「ABC BEARINGS」というアメリカのベアリング会社と思われるが、日本のNTNベアリングの様な高名であるかは不明だ

あくまで雰囲気で買ってきた

そのベアリングラックにプラグのストックもある
ベアリングやプラグをストックしているベアリングラックを久々に見たが・・・

欲しい熱価は#7よりコールドタイプの#8の新品2本だけ
早速、ストックは見つかったがラスト2本でB8ESのコールドタイプに変更した

そして、またもや阪奈道路の生駒インターまでの往復約20kmを走ってみた

結果はアイドルングも、ほぼ安定でプラグの焼けも・・・

綺麗なままだが、ここはもう少し走り込まないと本来の焼け具合は確認できない

これで少しづつベストに近づいて行ってるだろう

その合間ではIsh〇ドクターの「Buell復活作業Part11&12」が着々と行われている

まずPart11
カムと一体のギアだが

左がカムギアに綺麗に?こびり付いたスラッジを除去する前

右が、そのスラッジをコツコツと除去したあと

それを組み込んで
見違えるように綺麗になった

おかげで当日の作業は、スラッジ落としで時間を喰っていたようだ

そして明くる日のPart12
「う~ん・・・」

「たしか~・・・」と、いい加減な情報を記事にすると、またドクターからお叱りを受けるが、いい加減で言えば新たに?調達した?パーツ?タペット?

それを組んで
先週にも挙げたプッシュロッドカバーと共に?組んだ

さらに
先週にオーバーホールを掛けたヘッド

これも組んでいく
組んでいくと、だんだんゴールが見えてくる

こっちまでワクワクしてくるが、オーナーのHig〇さんは、もっとワクワクしてくるだろう

だが自身はワクワクどころではない

先週のNSUの「クラッチだだ滑り」を修理しなければならない
早速、左側の乾式クラッチを開けてプレートを外す

7個のスプリングと
メタルプレート3枚、フリクションプレート4枚も外す

ただ各プレートは元々、メタルプレートが4枚、フリクション5枚であった

だが、それぞれのプレートを1枚づつ抜かないとクラッチが切れないことになる

たぶん、お手製のフリクションコルクでは厚みが、あり過ぎるのではと解釈している

そのフリクションプレート
以前の古いコルクをスクレーパーにて除去していく作業

プレートのコルク材を除去するが、4枚はなかなかの作業だ
しっかりと固着しているので、どうしても指先や手首が痛くなってくる

これが限界だが
一先ず綺麗に落せた

そこに
コルク材をプレートの幅に合わせて細かくカットし、ピンセットを使って専用ボンドで一枚づつ貼っていく

仕上がった1枚のフリクションプレート
これをあと3枚、手作業で作るのだ

一応、4枚のフリクションプレートはできた
ここから丸一日、乾燥させて完了

そんなことを本日のブログに編集作業をしている時・・・

伊賀の2〇さんが遊びに来た

用向はW1のバルブ周り交換作業で教本と特殊工具をお借りしていた
こういうワンメイクな教本は、確かに細部に亘ってまで細かくノウハウが記されているがプライスにビックリする

自身のようにヘッポコメカであればプライスレスかもしれない

そのお借りしていた特工と教本をお返しに上がろうと連絡をしたら・・・

「その日、車検場に行くのでその帰り寄るわ」

という次第でお越しになったのだ
こんな暑い中で、まさか奥様のタマちゃんと御一緒に来られるとは・・・

自身はタマちゃんの大ファンで久しぶりにお会いでき、楽しい時間を過ごせた

とにかく人的に好感を持てる女性だが、話題は昭和の青春時代の話で盛り上がった

さ~てっ!

ジジィのこれからの老春時代は何を目標に生きようか!?

まぁ、健康であることが先ず一番だろう

T-PADDOCK630 T/Tatsumi

2024年7月11日木曜日

『Bike in the sky』#395 W1S、あの往年のサウンドが・・・

暑っついのぉ~~!!!

今まで自身は年間の季節で一番好きだったのは夏だった

ところが、ここ数年で夏は最も嫌いな季節に様変わりしてしまった

そこには熱中症による「死」が脳裏を横切る

そう思っていても月ヶ瀬に参る使命感は今のところ健在なのだが・・・

そんな先週、早朝土日の月ヶ瀬

先ず土曜日

自身は今夏から早朝5時頃に起床

そこからは日課の散歩で妻と生駒山,中腹辺りまで登り、日新高校横を抜け、自宅までの3~3.5kmほどを約40分かけてウォーキングをしている

たったこれだけで全身は汗でビッショリになる

戻ってからは速攻でシャワーを浴びるが汗は、なかなか引かない

やや汗が収まった頃合いで朝食のトースト2枚とバナナ、トマトのモーニング食を濃厚ミルクと共に食している

最後はヨーグルトのデザートで朝食はフィニッシュ!

この時点で時刻は6時30分頃だ

ここからガレージにてモーニングコーヒーを飲みながら月ケ瀬に行く準備をする

この日はW1のFCRキャブを存続させるか、ノーマルキャブに戻すか!?

大袈裟だが、自身にとってバイクライフの分水嶺になる出来事だ

そんな境地でW1と出かけた月ケ瀬には8時前頃についた

到着してビックリ!
なんとNis〇さん達だけ・・・

実は着いた時点では数人のライダーはいたが、あまりの蒸し暑さに負けて殆んどは引き返したというわけだ

そんな出来事だったのでNis〇さんには記念として写真に納まってもらった

だが隣の喜色満面の御仁と比べ、Nis〇さんは何が気に入らないのか!?

怒ってる?

う~ん、次回、聞いてみよう

で、W1の結末だが・・・

その前に明くる日の日曜日

乗り出したバイクは、今の自身の気持ちとは真逆の「冬場はまったく乗れない」NSUだ
このNSUは1955年製だが古いバイクに見受けられる「夏場は熱ダレ等で走れない」という症状とは全くと言っていいほど疎遠だ

逆に「夏場の方が調子が上がる」とまでは言えないが・・・

実は今回の乗り出しには目的があった

それは・・・ハンドルを換えての乗り味だった

前日には
ライディングフォームにウルさい?Ish〇ドクターに跨ってもらった

「オ~、ようなったやん!」だった

このハンドルは以前に紹介したようにIsh〇ドクターの寄贈品なのだ

「そらぁ~エエに決まとるわ!」と今回の試走に乗り出した・・・が・・・

・・・ところがだ!

東大阪から奈良のセブンで軽く休憩し、月ケ瀬まであと10km辺りで・・・

やや登りに差し掛かった辺りでアクセルを、すこし練り気味でエンジン回転を上げようとした

ところがエンジンの回転が3000rpmを過ぎた辺りだったか・・・

トルク感を感じる回転の上がり方から、突然「ブォ~ン」と半クラになったような・・・

明らかに空回り気味!

いわゆるクラッチが滑っている現象だ

すかさずアクセルを緩め、再度、滑らないようにジワッとアクセルを上げていくと・・・

なんとかクラッチは喰い付いて無事に月ヶ瀬に到着できた

ここで月ヶ瀬のメンバーとは暑い中でも雑談も終え、帰路に着こうと準備を始めた

NSUのエンジンをかけて暖気をしようと・・・

キックを踏んだ!

スコ~ン!とキックペダルが空回り!

「えっ!」

クラッチレバーを握った状態でキックを踏んだ時の現象だ!

再度、キックを数回踏んでみたがクラッチプレートが完全に「ダダ滑り」状態

完全にキック始動は消滅した

ならば、あとは押し掛けしか手段は残されていない

幸いNSUは車重が100kgそこそこ

月ケ瀬のメンバーにも後ろから押してもらい、難なくエンジンは目覚めた

さ~て!

こんな状態で東大阪までの50km!

途中には、けっこうな上り坂や阪奈道路の長い上り坂もある
だが、意外や意外!

スタート時は、確かにやや回転を上げなくては発進はできないが、キックが使えなかったスカスカ状態からは想像しえないほど、けっこう普通に走ってくれた

そんなドキドキ感満載でガレージに戻ってきたところに・・・
(以前の来訪時画像を使用)
押し掛けも手伝ってもらったのに写真も撮り忘れた、ご近所のYamg〇さんが・・・

「無事、帰れました?」と、わざわざ立ち寄っていただいた

押し掛けも手伝ってもらった上に、こんな気遣いも・・・

つくづく「バイクに乗ってて良かったなッ!」と感じる!

そして午後には
この方も写真を撮り忘れたが東大阪が誇る切削加工の工場経営者

その若社長がコーヒーを飲みに来訪

この社長とは月に一度のペースで「企業運営ミーティング?」をWeekdayの早朝7時に他所で行っている

その成果が出てきた?のか、Weekdayでは時間が取れず今回の様に日曜になった

そんなミーティングの最中に毎度のIsh〇ドクターもやってきた

3人にもなると話題は多岐に渡り、いろんな意味でも刺激は得られる

若社長が帰られたあとは「Buell復活作業 Part10」の様子だ
今回のドクターの作業はヘッドや各パーツの洗浄と清掃

ただ上画像のドクターの表情は旧車と同じ「熱ダレ」を起こしているような様子

いやいや当方のガレージが工場用の大型扇風機があるだけで、この日は相当暑かったのだ

そんな中でもドクターは一流並みの仕事をする

専門的な所を除き一般的なバイク屋では洗浄までは、なかなか採算的にやらずウエスによる清掃までだろう

だがドクターは気が済まないのか、念入りに手を入れている

その一部を紹介しよう
ざっくりスクレーパーで古いガスケット等を除去

そして
ロッカーアームも外し、ヘッドカバー裏側の洗いも終わり、スラッジ等も・・・

ここまで念入りに綺麗にしても長年のツケの跡は除去できない

また
ヘッド表面もスクレーパーで傷をつけないよう慎重に旧いガスケットも除去していく

そして
手磨きでピッカピカに仕上がったヘッドカバーとヘッドの裏側

新品とまでは言えないが同等の輝きを取り戻している

ヘッドカバーのようなビジュアル的に目立つところは・・・
ここまで磨きを入れると、もはや修理とは言わない

明らかにレストア屋の領域になってくる

極めつけは
プッシュロッドカバー?だったか!?

「どや!ピッカピカやろ!」

と、言わんばかりの輝き様ではないか!?

「自身のW1もお願いしようかなぁ~」と、思うほどキレイに仕上げていく

そして冒頭、本題の当方のW1に話を戻そう
前日の走行でキャブはFCRからノーマルキャブに戻すことにした

そこには前週にも記したが、W1のアイドリング時の不安定さが起因している

戻って再度、ワイヤーやワイヤーのリンケージ辺りを探ってみた

一つは見つかった
上画像のマイナスドライバーが示す先に切れた極細の一本のワイヤーが跳ねていた

散々、今までこういう事象も疑って探していたが見つけることはできなかった

キャブ側のタイコから10mmほどの位置で切れ、切れた相手のワイヤーはタイコ側に残っているはずだが、まったくの行方不明

このワイヤーは引き側であることから、アイドリング時の不整脈はこれで断定できた

と思いたい

こんな話をドクターとしていたら、ドクターは

「おー、それもあるやろけどFCRはデリケートやからシャッター状のスロットルバルブにも経年による微妙な隙間ができて調子崩すし、他のパーツもガタが出るで!」と言う

それは確かにあることは理解しているつもりだ!

これが自身が、あと10年、いやあと数年でも若かったらドクターが言われる様にワイヤーはじめ全てのパーツを交換してたであろう

だが自身の余生と費用対効果を考慮すれば得策とは思えなかった

けっして費用に対してケチっているわけでもなく、またW1への思いが消えたわけでもない

75歳まで、いかに楽しくW1にのんびり乗れるか!?

よってノンビリであればノーマルのキャブレターで十分だという結論に至った

早速・・・
ノーマルのキャブを引っ張り出して点検を兼ね、オーバーホール

少々、ホコリを被っていたが・・・

もっとも気になったのは長年、放置していてゴム類が劣化していないか
目視と触感で何とも言えないがゴム類は、まだ弾力があり、各部位の摺動性も良好だった

きれいに洗って車体に取り付けた
ここまでは作業は、すんなり進んだ

ところが別の問題が発生
ハンドルに取り付けるノーマルの電装スイッチ

これだと折角のアンティークレバーや旧車御用達のスイッチは交換となる

よって今までの仕様で、いくことにしたが別の問題が発生

ノーマルのキャブにはノーマルの元々のワイヤー類を使わなければならない

特にアクセルグリップのホルダーは・・・

ダメ元でFCR用のハイスログリップにノーマルのアクセルワイヤーが付けられるのか
少しアクセルワイヤーのタイコが踊るが、なんとか行けそうだ

ただ、このFCR用ホルダーはワイヤーが引き側、戻し側の二つの穴がある仕様で戻し側の穴が大きく開いたままだ

ちょうど良い形のスポンジがあったのでハメてみた

「う~ん、たぶん誰も気がつかんだろう」と、ニンマリしていた

そして次は難儀した
ノーマルのキャブにはチョークなる石器時代の装備が添えられている

おまけにアップハンドルなる、さらに重量車用の幅が広いタイプのハンドルゆえ、チョークレバーのワイヤーもスコブル長い

現在の自身のW1は一文字仕様ゆえ、チョークレバーを取付けたとしてもワイヤーが余ってどうにもならない

だが、どうにかしなければならい

どうにかしてみた!

幸いチョークワイヤーは極細で、メインフレーム下を左から遠回しに右側へ回し、さらにそこから左上へとハンドルポスト上部へ回した

そして、一文字ハンドルの左部分ギリギリに収まった

少々強引だったがワイヤーの摺動性はさほど悪くない

これでまた「このレバーなんですの?」と聞かれるのが楽しみだ

そしてホースを繋いでエンジンを掛けようと試みたが・・・
「そっか!」と思い出しながら・・・

Wのキャブはメイン用と予備タンク用として左右2系統づつの合わせて4つの給油口があったのを忘れていた

だが自身のWのタンクは特注品でコックも一つで給油口も一つしかない

であれば対処として左右のノーマルキャブの予備用給油口にメクラ蓋を被せて封印

これで今まで通りの状態になりエンジンをかけてみる

その前に、また別の思い出したことが出てきた

ノーマルキャブには「ティクラ―」と言われるフロート室にガソリンを呼び込むポンプが左右に装備されている

そのティクラーを左右、数回ポンピングをするとガソリンがオーバーフローパイプから溢れ出す

左右、溢れてきた

エンジンキーをONにする

キックを2,3回踏んだ

すると最初は、ちょっとバラついていたが左右のアイドルアジャスターで回転を合わせる

すると、いとも簡単に、あのWの「ドッ、ドッ、ドッ、ドッ・・・」という腹に響く重低音の排気音がガレージ内に響き渡ったではないか

思わず「よっしゃー!」と感嘆符が付いた

あとは、もう少し詰めて試乗をしてみないと何とも言えない

だが今回は「ただノーマルキャブに戻しただけ」なのに何故か試乗するのに、すごくワクワクしている

インプレッションを書けるのが楽しみだ!

T-PADDOCK630 T/Tatsumi