2022年4月28日木曜日

『Bike in the sky』#282 相棒ができたぜ!

今週末から世間ではGWが始まるという

それも長く取得できる会社は10連休にも及ぶらしい

果たしてそれが良いのか悪いのか

現役を引退した自身が、そこに意見を挟む余地はない

だが自身のGWは先週から始まっている

伊賀に行ってきた

最近になって、せっかく修理から上がってきたのだがBeckにとって一番美味しい春の季節を乗り逃がしていた

その所為もあって先週末は少々暑かったのだがBeckにとってはドライブ日和

いつもの月ヶ瀬から針テラスに向かい、そのまま伊賀の友人宅に向かった

まだ引っ越しをして間もない友人だが新宅にバイクガレージを設けたと聞いた

自宅1階部分3分の1ほどのスペースをガレージに充てられていた
そこそこの広さは確保され数台のバイクを入れても整備スペースは十分にあった

まだまだ片付け中とのことだったがガレージライフは己の好きなようにレイアウトを「あ~でもない、こ~でもない」と染め上げていく時が最も楽しい時なのだ

そして友人の奥方から絶品のランチを頂いて楽しいひと時を過ごしてきた

人様のガレージを拝見すると何故かガレージに籠りたくなる

これはガレージ病という病魔に侵されている

今の病魔はこいつだ
前回のブログにはSUZUKI セルペットの最悪状態のキャブレターをバラしたところまで記した

キャブのオーバーホールも教科書通り済ませたが気になるのはフロートバルブの摺動性が良くない

やはり60年の歳月を過ごした老いから故なのか

まぁどうにかなるだろう

マフラー内のデュフューザーパイプも洗ってクリアにした

次にガソリンタンク内を観ると若干、サビが回っている

ここも錆び取り剤とコーティングをし、ガスホース等のホース類も交換した

あとは再度組み上げながら一つひとつ問題を解決していく

幸い保存状態が良かったので比較的すんなり組み上がった

そしてエンジンをかけてみると数回のキックでかかった

しばらくアイドル状態で様子をみて回転を上げてみる

さらにアクセルを煽るように数回捻ると「ビ~ン、ビ~ン」と気持ち良く吹きあがった

「よし!完璧だ!」

念のためプラグを点検すると
NGKのB-4という、型番と熱価番双方がシングルの、なんとも珍しいプラグ

しかし、この番手のプラグは「今、手に入るのか」と気になったので在庫の同タイプのプラグと見比べてみた
僅かながら旧タイプのプラグは現状プラグより短い

であれば現状プラグはピストンにあたる可能性もある

念のため試してみた
プラグ穴奥のピストン頭部に僅かながら銀色のピストン地が見えている

プラグにあたっている

今のところ、この古いB-4というプラグはしっかり火が飛んでいるので問題ないがいつかはプラグ交換の時がくる

さて、こんな短いタイプのプラグはあるのか

ちょっと調べなければならいが話を先に進めよう

フロントブレーキのレバーを握っても戻りが悪く効きも悪い

一旦バラシてと思いバラシにかかるが
ワイヤーのドラム側のアジャストナットがアジャストボルトに完全に固着して全く緩まない

ここはバーナーで炙って何とか取り外すことができたがアジャストナットが真鍮材で少々キズが入ってしまった

制動性はクリアで、よく効くようになった

そして各部位をチェックを兼ねて観ていくとオリジナル度がスコブル高いのがわかった

順を追って観ていくことにする

先ず前方から
メーターの積算計は約6900kmとたぶん実走と思われる

そのメーターのニュートラルランプは
球が脱落していたがハメれば点灯した

続いてハンドル周り
グリップにもSUZUKIのSマーク

ウィンカースイッチ

ヘッドライトスイッチ

そして
チョークレバー

いい感じだ

年代が垣間見える

その年代物で
バックミラーだがここにも
Sマークが・・・

前の中央部ヘッドライト
SUZUKIのアイデンティティと言われる馬蹄型ヘッドライト

デザインが当時を匂わせる
フロントウィンカー

デザインの賛否はあるが時代を感じるには余りある

前方下部
ホンダのカブを真似たであろう方式だが、元を辿ればドイツのNSUが源流にある機構だ

さすがNSUが1950年代で世界一売れたバイクメーカーと言われる所以だが、そのNSUも今では影も形もない・・・のか?

真ん中あたりは
レッグシールドは欠品していたが、そのステー類は付属されていた

それを少し加工しメインフレームのモール風にしてみた

さらに真ん中下あたり
このバイクの認定証

シートは
シートにプリントされたロゴを観ると当時モノとは言えない

程度からしてシートの貼り直しをされたようだ

シートの下のガソリンタンクに移って
シート下に貼られた当時のSUZUKIのステッカー

そのシートを前方に上げるとガソリンタック
タンクキャップには「混合油」と書かれた昭和の文字が顔を出す

そしてタンク下、左のカバーは
いたる所にSマーク

その右のレバーは
予備タン機能を持ったガスコック

さらに左カバーには
何の機能があるのか分からなかった赤いスイッチ

このスイッチはメインキーを捻るとエンジンはかかるがその他のランプやホーンは作動しない

しかし、エンジンがかかった状態でこの赤いスイッチを引くと各ホーンやランプ類は点灯するという仕組みだ

当時はバッテリーの性能もあって電力消費を抑える為の対策だったのか

リアに回って荷台にも、ちょっとした気を利かしている
メインスタンドを立てる時、左手はハンドルを握り右手は力が入れられるフックのようなモノが通常はある

そのフックに変わる小ネタが荷台の左に握り易くして掌が痛くならないような鉄材が充てられている

このセルペットのスタンドを初めて立てようとした時、この鉄材に気が付き「なんと親切な細工をしているのか」と、ちょっとウロコが目から出たではないか

さらにリア周り
なんとも小振りなテールランプだ

今時のバカでかいテールより全然、洗練された雰囲気をもっている

ウィンカーランプも実に、いいテイストだ

フェンダーにもSUZUKIのステッカー
チェッカーベースのステッカー

これはたぶんこのセルペット用のステッカーではなく当時の海外レースを参考に作られたSUZUKIのスポーツ車に使われたステッカーのような匂いもする

それはそれでレアだが少し傷みが勿体ない

ということで
一先ず仕上がった

こうして眺めて観ると、随所に傷みはあるが再塗装をされたりリムとスポークも新品に変えられたりしている

ここで感じたことは小排気量だが久々に旧車を手に入れた

また昨年末からT-PADDOCK630のバイクは5台ほどがアッと言う間に消えてしまった

その買ってもらったバイクたちは「ちゃんと可愛がってもらってるのだろうか」と気にはなっていた

その気持ちに気が付いた時、このセルペットの前オーナーさんも自身と同じ気持ちだろうなと頭を過ぎった訳だ

たかが50ccのバイクだが人の思いは排気量とは比例しない

今朝には近所の生駒山中腹あたりの急な上り坂、登坂チャレンジをしてきた

ちゃんと登り切ったではないか

近所巡りの相棒ができたぜ
T-PADDOCK630 T/Tatsumi

2022年4月21日木曜日

『Bike in the sky』#281 行っちまった!

4月も下旬になり昼間の気候は初夏そのものだ

だがT-PADDOCK630から近くの東大阪最東部、その生駒山中腹辺り、そこを大阪方面に走る阪奈道路下りの通称、三六カーブの麓

そこでは未だ満開の桜が観れる

周りの桜は既に散り、緑の葉っぱが青々と生い茂る中、画像の木と数本が遅咲きで目立っている

目立ちたがり屋は、どんな世界にもいるもんだ

かく言う自身も昔から目立ちたがり屋と自負はしているが最近は自重気味だ

それでも「目立ってなんぼ!?」と化石的な気質がうごめいているのは隠せない

T-PADDOCK630のバイクは今や4台と+1台だけだが、その1台で先週の月ヶ瀬には
T-PADDOCK630の最後の?お宝バイクで

1966年頃のCB77だ!

このCB77は目立たないようストイックに仕上げたつもりだったが最近、地味に狙われている

実はこのCBにもオファー?なのか、怪しい確認が・・・

もっと地味にいかないとマジで持ってかれそうだ

その地味ではないがT-PADDOCK630三重支局では大いに目立った動きが・・・
三重支局長の長男、タイチ君が大躍進だ

先週の日曜にフィールドトヨタで行われた「キッズクロス44」にて表彰台の真ん中に納まっている
このトヨタのコースではタイチ君は一度も走った経験がない中、事前練習もなくブッツケ本番で走ったとか

そのヒート2ではスタートミスで最後尾発進

それでも諦めず怒涛の追い上げで驚異の総合1位を獲得とは

血は争えんのか・・・「目立っとるがな」である

しかし今現在のT-PADDOCK630本部は至って地味な仕事をしている

先日、三重支局から引き上げてきたSUZUKIセルペットだ

できる限りお金をかけずに走らせることがどこまでできるか!?の課題

ところがお金が、うんぬん、かんぬんの問題ではないのだ
それは、このセルペットの構造的な問題がいろいろと露呈している

当初は「ホンダ・カブのスズキ版だろう」ぐらいに考えていたが全くの整備性が欠如している

エンジンは、かかったのだが吹けない

そこで2STによくある排気系のツマリを疑う
マフラーを外したら真っ黒なドロッとした油だまりがドバっと・・・

さらにマフラー内のデュフューザーパイプを抜きパイプを覗くも詰まっている様子は見られない

一先ず排気系の状態を頭に入れて、次は吸気系にあるキャブも疑う

そしてキャブを外そうとするも

よくよく観るとキャブはメインフレーム内に収まっておりエンジンを下さないと外せないどころかセッティングも容易にできない

で、キャブを着けたままエンジンを車体から下ろそうとするとキャブにあるスロットルワイヤーがフレーム内を通っているので、そのまま下ろすとワイヤーが切れてしまうことになる

「何とめんどくさい」というか「何と後の事を考えてない」というか当時のスズキの開発者とホンダの開発者とを比べてしまっていた

結局エンジンを半分ぐらい下ろしたところでキャブをインマニの手前で脱却

そこでフレーム内に隠れているキャブレターにやっと手が入れられたので、スロットルワイヤーを外し、やっとエンジンが下ろせたという話だ
ひょっとして「目からウロコ」の喩え通り、簡単にエンジンを下せる方法があるのかもしれない

しかし、もうちょっと分かり易く、言い換えれば外せる方法を構造的に外観から見て「目立つように・・・」して欲しい

で、キャブをバラシて目立った問題点を探すも・・・

探さずとも問題点は、しっかり目立っていた
こちらもドバっと腐ったガソリンがヘドロ状になって大量に出てきた

サッとフロート室を洗ってみたが・・・
フロート共に室内には緑色の塊が付着している

この目立っている緑の物質は何のか、何を主張しているのか

こんな目立ち方は嫌なもんだ!

そして話がグッと変わって、いよいよXS-1ともお別れの時がきた

行く先は遠い遠い沖縄に行ってしまう
だが当日は昼から雨の様子

バイクの配送業者から連絡があったが運搬は雨でも決行とのこと

以前に送ったCB750も当日は雨模様だったので電気関係周りには当方で養生をし運んでもらった

こういった事は本来、誰が行うのか?なのだが最も愛情をかけた人間がやるのが一番だろう

業者以上に万全の保護をしてやった
特にハンドル周りは重要だ

ヘッドライト内に雨水が入ることも考えられる

そして
今回はシートにも

送り先が沖縄となると九州から沖縄まで海の上を渡る

となると、でき得る限りの養生はしておく方がいい

この初期型XS-1が自身の元にきて、早いもので22,3年が経っていた
その購入当時は、まだ40歳代であったのだと今更ながらビックリだ

そして、いよいよ、ほんまにいよいよ・・・

他のバイクと一緒になって淋しくはなさそうだが・・・
ついに行ってしまった

「沖縄に行っても地味におとなしくな!」

「あんまり目立つなよ!」

どの口が言うてんねん!

T-PADDOCK630 T/Tatsumi

2022年4月14日木曜日

『Bike in the sky』#280 どこまでお金をかける?

しばらくロシアによるウクライナ侵攻の話題は避けてきた

しかしロシアの暴挙は収まる気配がなく日々のニュースに目を伏せても耳を塞いでも自然と入って来る

それに引き換え日本は平和だ

特に週末の月ヶ瀬お茶屋前は何年も前から平和と長閑を併せ持つ表情はブレない

しかし月ヶ瀬までの道中では、けっして平和とは言えない悲惨な事故も起きることがある

先月には月ヶ瀬メンバーの一人がカーブを曲がり切れず救急搬送のお世話になっている

であっても先週の日曜のように超バイク日和ともなるとバイクに限らずクルマでも月ヶ瀬は盛況である
Nak〇さんとHig〇さんの幌型車(車検上の表記)

いや英国風に表記すればロードスターでお越しだった

もっと通な英国表記をすればドロップヘッド・クーペだ

そこに久々のT-PADDOCK630ご近所の乗り物猛者、Min〇さんが来た
アウディR8で颯爽と登場されたが、このMin〇さん

齢72歳になられたことで前方から駐車されても車が真っすぐに駐車スペースに止められない

偉そうに述べる自身も、ここ数年でコンビニなどの駐車スペースには真っすぐには止められない

ただ自身の場合はバックで止めるときだけで前からでは今のところ真っすぐには入れられる

話しが逸れている

で、このR8、以前よりリアがマッチョになっていた
リアのスポイラーは元々あったように思うがリアアンダーにディフューザーが装着されていた

画像では陰になって少々見にくいが縦方向にシャークフィンと呼ばれる高速時の乱気流を真っすぐ後方に流すレーシングパーツだ

またタイヤも扁平率が30?いや20?だったか超ロープロファイルなしろもの

いったいどこで走るつもりなのか

その前に車を真っすぐ止められるように・・・と私は思うのだが(すみません)

そこにドイツ車繋がりで
同じく少しご近所のNag〇さんが愛車のポルシェ・ケイマンでやってきた

このNag〇さんも72,3歳だったかな私が「お兄ちゃん」と親しみを込めて呼ばせてもらってる方だが、バックで真っすぐに駐車できている

やっぱり「お兄ちゃん」だった

そして、かく言う自身は先週に修理から帰ってきたT-PADDOCK630のスーパーカー?で来た
昨年の11月7日以来、5カ月振りで乗るBeck550スパイダーだ

5ヶ月振りで乗ったわけだが若干、前から駐車なのに真っすぐに止まっていない様にも見える

人のことを言えない乱行だ

それよりもこのBeckは1955年製ドイツのポルシェ550スパイダーを寸分狂わず製作しようとしたアメリカの会社なのだがスパイダーの表記に疑問が・・・
そもそもドイツではオープンカーは発音は別としてカブリオと呼ばれるのにスパイダーとは?

またスパイダーという呼称はイタリアでのオープンカーの呼称で別名ではバルケッタとも呼ばれる

まぁアメリカのBeck社がポルシェ550のレプリカを造ろうしたからスパイダーとしたことには理解できる

ただ序でに言えばアメリカのオープンカーは「コンバーチブル」と呼ばれることも追記しておこう

今日は昨晩、よく寝たせいか頭がよく回っている

話しを次に進めよう

そのBeckを月ヶ瀬から針テラスに向かわせた
ここ最近の陽気で、バイクはひと月以上遅れの啓蟄状態

おまけに針では顔見知りのバイカーがゾクゾク居合わせた

上の画像の左に移るメッキタンクのW1は久々にお会いするFuk〇さん

いつもはベンリイのC90?などを乗っておられるが気候のせいだろうか気持ち良く走れるWでお越しだ

さらに画像右に映るDucati Mach1のオーナーはさらに久しぶりで再会したNakaJ〇さんだ

この御仁はまだ若く、このMachを1年前ぐらいに手に入れられてから一人独学で快調に走るように整備をされたきた
購入された当初は点火時期やクラッチ関係等でT-PADDOCKでも相談にのらせて頂きメール等でアドバイスもさせてもらった

それよりも実車を拝見してこのMachに掛ける情熱には感服した次第だ
キャブレーターもなかなか入手困難なオリジナルの29Φ(29Φは29パイではなく29ファイと読む)を見つけてファンネルも雰囲気満点

さらにMach1のアキレス腱であるリアのスィングアームのピボットシャフトもブッシュ管入れ替えてキッチと修復されていた

タンクはMach1のオリジナルを保存し別作アルミのロングタンクにご自身の本職である「鉛筆画アーティスト」の技で創られたDucatiデカールを貼られていた
自身が昨年末まで所有していたMachは途中でやや挫折感もあって、とことこ乗れるぐらいまでしか手を入れなかった

そのMachは関東のイタリアマニアの方に譲ったが、その方いわく、あのMachはMach1の前身のストリート用モンツァでは?とのこと

そう言われれば思い当たる節はあった

そして結局はエンジンもピストン、コンロッドも入れ替え電装も新たにやり直し

またフロントフォークも完全オーバーホールにフレームも塗り直してと・・・などなど・・・

徹底的にレストアを掛けられておられる様子

情熱も必要だが、一般的にはやはりお金の心配は尽きない

そのお金では予てより思っていたことだが自身の知り合いのこのTak〇さんも「よくお金が続くなぁ」のお一人
以前、アップしたモンスターマッハに乗って帰られるところ

当日は交通安全週間のキャンペーンで白バイやパトカーが居並ぶ中をパリパリパリと2スト独特の甲高い爆音で、その横を抜けていった

見ている方が「止められるのでは」と気が気ではなかった

このTak〇さんはKawasakiマニアでA1やA7など、いろいろお持ちだ

そこに
東大阪市が誇るバイクの暴れん坊のお一人、Isih〇さんとジョインのひとコマ

ふたりで何を悪だくみしているのか・・・

そして先週には自身も齢が重なっていく中で新たなバイクの誘惑に「果たして乗りこなせるのか」と記したが

そのバイクに
乗ってる

先日、T-PADDOCK三重支局から引き上げてきたカブではない1963年のSUZUKIセルペットM30

約1970年以前のSUZUKIバイクのアイデンティティである馬蹄型のヘッドライト

その他テールランプ、ウィンカー、各デカールやコーションシールなどもほぼ残っている

出力3.3ps、トルク0.4kgm、最高速65km、ピストンバルブの2ストの希少車・・・らしい

さてT-PADDOCKに来たもののMach1の二の前にならないよう根気を入れて復活させないといけないのだが

エンジンはかかった

しかし・・・

どうやら乗りこなすには時間とお金?もかかりそうだ

T-PADDOCK630 T/Tatsumi