2021年9月30日木曜日

『Bike in the sky』#253 愛のゆくえ

もし自分がジェームズ・ボンドだったら・・・

そんな気持ちを子供の頃から持っていましたが最近、紙面のオメガの時計のコマーシャルで目にしました。

上の画像は6代目ボンド役のダニエル・クレイグですがボンド役は先ずお洒落でなくてはなりません。

そして身に着ける小道具は一流のブランドものは必須アイテム。

さらに乗り物は・・・・

ということで私が紙面のコマーシャルで目に留まったのがバックに写るクルマだったのです。

OO7と言えば英車の1964年製アストンマーティンの「DB5」ですが、上の紙面コマーシャルでも年式はアバウトですが1980年頃?製アストンマーティンの「ヴァンテージ」が使われています。

OO7では他車のいろんなクルマが使われてきました。

しかし方程式的には「OO7と言えばアストンマーティンでしょう!?」となります。

そこで、私的には時計のオメガ社の販促部隊は「DB5」ではなく「ヴァンテージ」をもってきたところが「分かっとるなぁ」と・・・

そのコマーシャルの出来もあったのですが、紙面中の全ての小道具のマッチングに抜群のセンスを感じました。

って、偉そうに分かった風に語っております。

しかし今は旧車ブームもあるのですが実際、アストンマーティンであっても程度の良い、またエンジンも快調と言えるのは超フルレストアされた億単位の高額車では見つかると思います。

でも“一般ピーポー”には手が出せません!

そんな中で私が好きな乗り物で手が出せたのがバイクだったのですが・・・

その数多(あまた)あるバイクの旧車の中で常々語られるCB750には1968年の発表当時、センセーショナルな話題がありました。

その時代の私はまだ高校1年生だったのですが、CB750と同時にその時代背景がとてつもなく楽しいかった時代でもあったのです。

よってT-PADDOCK630のCB750も、そんな青春を呼び起こしたい一心で手に入れました。

とは言え、そのCBも50年以上の時が経ち私と同様に老いが顕著に目立ち出しております。

今、当のCBは健康診断で神経系(電装)に問題があったのでメインハーネスは新品リプロ品に交換。

それでもボケが出始めましたので脳外科手術でウオタニSP2の移植!

そしてボケが治ったかと思いきや今度は不整脈が出だし心臓に問題が発覚。

ということで心臓の各弁の診察でキャブレターの各ジェットのマッチングを図ります。

4気筒のキャブレターを整備するのは、けっこう気合がいります。

不整脈の原因はジェット類のどこかで目詰まりか?なのですが見た目ではなかなか特定できません。

また同時にマッチングの問題も再定義(私なりに)し、スロージェットとメインジェットを交換します。
スロージェットはノーマルに戻し#40!

メインジェットはガンガンの高速走行をしない限り普通の走りではさほど影響しません。

ただプラグの焼け具合から#120をチョイス!

そしてニードルの段目を変えます。
今回は上から2番目に濃くなるようにしました。

そして、折角ですのでエアークリナーもリプロ新品に交換。
上の画像は10,000キロぐらい走ったでしょうか!?替え時です!

そして同画像に写る黒いゴムですが、これはガソリンタンク後部下をフレームに引っかけてタンクを保持するパーツです。

こんなところのパーツでも時代の変わり目を感じます。

それまでの1968年以前のタンクの取付はボルトでフレームに取り付ける方式が多く、わりと面倒くさかったように思います。

シリンダー状のスロットルバルブ内を掃除!

そして組み上げて
バキュームゲージで負圧の同調を取ります。

以前のメインジェットでの同調ではゲージは24~25cmHGでしたが今回の#120のメインジェットでは21cmHGと負圧の許容範囲ど真ん中。

そして、またもや阪奈道路でのテスト走行を約20kmほどこなしてプラグをチェック!
画像では灯りの加減で少し黒く見えますがタヌキ色ぐらいで、もう少し乗り込めばタヌキとキツネの間ぐらいの焼け具合になると思います。

こうして電気系、燃料系のセッティングが一応、終わりました。

如何に名車と言えども走りが満足でなければ乗っていても決して楽しいとは言えません。

とは言え専門業者に依頼すれば、それなりの費用はかかります。

海外の旧車エンスーは、お金持ちや庶民に関係なく自身で手間をかけ修理をされる方を多く見受けます。

そこには元々の移動手段がクルマという文明と文化に根付いた生活様式がそのような知恵を付けたのだ思います。

同時に自身で手をかけてコンディションを維持するというのは昔の人が馬の手入れを欠かさない愛情にも似たものを感じます。

やはり旧車は生き物と同様、愛情をかけてあげないとすぐに愚図る、拗ねるというふうにご主人様に訴えてきます。

実はT-PADDOCK630のCB750も最近、重たさゆえ私の体力では、いささか持て余し気味に感じており、そろそろ手放し時かなと思っておりました。

しかし、電装やキャブの再セッティングで走行テストをすると・・・

「お~、メッチャ気持ちええやん!」と、ここしばらくの走りからは考えられない爽快感が体中を抜けていきました。

「やっぱり手離せんなぁ~」

そんな先週から昨日までのCB750との共生のひとコマでしたが、とても楽しいひと時でした。

ではまた。
T-PADDOCK630 T/Tatsumi

2021年9月23日木曜日

『Bike in the sky』#252 達人に憧れるなぁ~!

興味深い観察対象?車が先週の針テラスにやってきました。

興味は抱いたのですが、もし仮に手に入れたとして再生することに「本気で対峙するに値するのか!?」と、考えさせられる乗り物です。

その対象車とは・・・
サビサビのエンジン部分です。

「取り扱い注意」のステッカーですが、ステッカーそのものがヤレていてマジで取り扱い注意状態です。

メーターは比較的にキレイな状態で走行距離は実走の9600kmほど・・・

フレームサイドには「DAIHATSU」のアルファベット!

そして

上の画像、ブレーキレバーを握って白い矢印の小っちゃなレバーを黄色のストッパーに引っかけるとブレーキレバーはロックされて勝手に動き出さない安全装置が標準装備?されております。

超アナログな装置ですが、この乗り物の時代は・・・
1976年のダイハツ・ハローなる50ccの3輪車です。

発売当初は牛乳配達や酒屋さんに大評判を得たとか・・・

この1976年はホンダからソフィアローレンのコマーシャルで一躍人気を博した「ロードパル」がデビュー!

ここからファミリーバイクブームに火が付きます。

そのブームに乗り遅れてはなるものかと4輪メーカーのダイハツも3輪で参戦した時代でした。

しかし、1976年は今から45年前です。

とは言え45年は短い期間ではありませんが、このハローのサビようはどうでしょうか!?

このハローの持ち主は・・・
ちょくちょく当ブログにもご登場いただいてますHi〇さんです。

最近、このハローを手に入れられたそうですが・・・

そこで、私に「どこまでレストアします?」と聞かれました。

私は「先ずエンジン性能がある程度戻ったのを確認してから手を入れて行くけどな・・・」と返答しましました。

Hi〇さんは「ですよねぇ~!」で、会話は終わりました。

でもキチっとレストアできれば、きっと乗っていても楽しくなるとは思います。

そんなキチっと整備して楽しい?と思われたかどうかT-PADDOCKにオイルチェンジのお客様。
以前、ハンターカブでお越しになりました某警察署のTo〇警部です。

今回はCB750のオイルチェンジの指導をして欲しいとのご依頼でした。

CB750のKシリーズの潤滑方式はドライサンプでオイルタンクが車体右側に別体であります。

先ずそこのオイルを抜き、次にクランクケース前部にあるオイルフィルターの交換をして終了なのです。

とは言え50年近く前の車両ゆえ細かい気をつけなければならないポイントが多数あります。

結局、オイルチェンジの指導と言いましてもレクチャーの対象は、その「気をつけなければならいポイント」が最大のミソになります。
実際に作業をして頂いて気をつけるポイントを体感して頂きました。

作業終了後は警部にいろいろ質問をさせて頂きましたが警部の本職は白バイではなくパトカーのドライバーでした。

で、パトカーの整備は専門の整備士が行っておられるようで乗務する警部らは整備等は全くやらないそうです。

それでT-PADDOCKにオイルチェンジの指導をして欲しいと言われた謎が解けました。

それ以外にもパトカーで公務中、犯人?を追いかける最中、アクシデントでパトカーが360度回転したにも関わらず綺麗に止まれた武勇伝?とか・・・

まぁ~、なかなか聞けないお話しもあってアッと言う間の時間でした。

そのCB750ではT-PADDOCKのCBもウオタニ効果の詰めの段階。

基本的には点火時期のタイミングを2°進角させたところで、ほぼほぼセッティングは終わっているのですが・・・
月ケ瀬までの往復の約100kmを走ってからプラグの焼け具合を確認しました。

ここまでは、まずまずの評価ですがもう少し焼け具合がキツネ色にもっていきたいところですのでニードルのクリップ位置を4気筒全て最上段にしました。

折角ですので序でに4連キャブレターのバキューム同調確認。

以前に同調をとったのは、もう4,5年ぐらい前ですので今回は多少、狂っているかと思いきや、エンジンをかけるなり、なんとバキュームゲージの針は4気筒とも見事に25cmHgを指しておりました。

「お~、なかなかやるやん!」と誰を誉めるわけでもなく自画自賛!

なんか自分で達人になった気分ですが本日、私から見ればマジの達人と月ヶ瀬で・・・
このエンブレムのクルマの持ち主です。

DOHC4気筒のエンジンを既に自身で二度ばらして組み直し、さらに進化をさせているそうです。

「う~ん・・・」

こういう人をマジの「エンスージアスト」って言うのでしょうね!?

はい。私も精進します。

では!
T-PADDOCK630 T/Tatsumi

2021年9月16日木曜日

『Bike in the sky』#251 感動的分岐点とは・・・

先日、とある書籍で「感動的分岐点」という、あまり耳慣れない言葉を目にしました。

ビジネスでは「損益分岐点」という言葉は嫌というほど見聞きしてきましたが「感動的分岐点」という言葉はたぶん初めてと思います。

その意味は何となくは理解できそうなのですが正確には「顧客に『この程度でないと感動しない』と思ってもらう分岐点」だそうです。

私が思うには世界中でモノが溢れすぎ、且つ形や機能が同じようなモノが更に拍車をかけて余っているようにも感じます。

特にクルマ!

そしてファッションや生活様式まで・・・

私のような年寄りでも、この程度は感じているわけですから世の中のど真ん中の消費世代はもっと嘆いている?

もしくは麻痺し切っているのか?と思います。

そこで「感動的分岐点」とは少し意を履き違えていますが私なりの“分岐点”を「バイクの個性創造」を通してお届けします。

先ずはここ1,2週間、掛かりっきりのW1 Super Specialの続きです。
このW1のバックスタイル、私は感動してるというよりも「う~ん、なんか渋いんちゃう?」と色気を感じております。

そして一応、完成はしたのですがとにかく大変でした。

何が大変って・・・

先ずそれはシングルシートの取付!
上の画像は最近まで使っていましたシングルシートですが、ほぼ30年は使ったであろう年季モノ!

そのシートが・・・
このシートは和歌山のとある旧車乗りの方が土建屋さんの工事用のヘルメットを半分に切断し、そこにコンパネ材やアルミ板、鉄材などを加工して作られたと伺ってました。

それをいろいろお世話になってます“凄腕バイク屋”を介して手に入れました。

しかし30年も経つとコンパネが割れ、乗っておりましても鉄部分がモロにお尻に当たって痛み度が上がってきておりました。

そこにW1のフェンダーレス化のテストが巡ってきましたので、ここはシートも換えようと“試行錯誤”中となった訳です。

その新たなシートは・・・
ステーの取付と補強材の加工。

補強材にはエアコンの室外機を吊るす、コ状の鉄材を加工して製作。

それを実車合わせ!
さらに追加の筋交いになる補強材が必要となり、アングル材を加工して・・・

そこにテールランプをシート下からのステーに取り付けて・・・

上の画像に写る、テール用ステーですが、なんでも残しておかなあきません!

このステー、実は何に使っていたのか?

またバイク用かどうかも判明しません!

とにかくT-PADDOCK内のガラクタであるのは間違いありません。

そのガラクタを収納している箱もの?は・・・
アメリカ軍が使っていたパーツボックス?です。

15年前ぐらいだと思いますが沖縄に行った時、駐留するアメリカ軍の払い下げを見つけました。

見つけた時には真に感動して「欲ッしいィ~」となり即購入!

私にとりましては高級なツールチェストより、もっとお宝度を感じました。

そこに
先ほどのテールランプステーのような廃材のお宝を収納しております。

と、まぁ~このボックスのお陰でガラクタが溜まる、溜まる!

そして次に苦労しましたのが・・・
前回にも記事にしました後ろ向きの作業!

画像のように、ただ単にタイヤ交換なのですが・・・
以前まで履いていましたリアタイヤはスリップサインが出始めておりますので今回の作業で後輪を外したついでにタイヤも交換することに!

今までのタイヤは
ダンロップのK300でサイズが120/90-18です。

W1Sの本来のサイズは110/90-18ですがトレッドを10mm広い120mmで少しボリュームを持たせておりました。

ところが今回のフェンダーレス化作戦に伴い、もう少し幅を広げるとバックスタイルが“キュン”としてグラマラスになると130mmをチョイス!

そのグラマラスな画像が先頭画像の「感動的分岐点」を越えたバランスでは?と自画自賛をしております。

しかし、その「感動的分岐点」を越えるまでは今回のタイヤチョイスは「間違ったかなっ!?」と・・・

それはトレッドの選択を130mmにしたことにあります。

そこに扁平率が以前の90%から80%になってます。

問題はここからなのです。

タイヤの銘柄をK300からTT100にしたことでTT100は今まで幾度となく使ってましたが今回の130mmと扁平率80%はタイヤサイドが恐ろしく硬いのです。

そのタイヤが届くまで全く、そのような硬いタイヤであったことは気にもかけてませんでした。

しかし届いて「えッ!こんなに重たかったか!?」

そして、いざハメる段になって「えっ、メチャ硬いがな!」

と、この時点で心は後悔ばかり!

まぁ、悪戦苦闘しながら外して交換するまでの時間が通常1時間ほどあれば大体仕上がるのですが、とにかく硬いのでちょっと進めては息が切れ、また進んではの休憩しながらの作業です。

結局、約2時間くらい掛かったでしょうか!?

そして後輪にシャフトを通して車体につけチェーンをハメます。
このW1もチェーンはクリップ式を採用していますが軽量級のチェーンと違ってコマをハメてからプレートは手ではハマり切りません。

画像のようにRK社の専用工具を使ってプレートをハメます。

そしてクリップをカチっとハメて完成です。

しかし、悪戦苦闘で作業した結果は自画自賛で「感動的分岐点」は超えなくとも分岐点スレスレには留まったのではと思います。
昨日はシートに取り付けたテールランプのステーがW1の振動に耐え兼ね、取り付けたナットが緩む、もしくはステーが折れるなどのテストもしました。

テストコースはタイヤの皮むきも兼ねて地元の阪奈道路を試走してきました。

往復20Km弱でしたが一先ずは問題ありませんでした。

ところが戻ってから点検のためガレージ内でメインスタンドを立てようと思った矢先・・・!

「うん!」

「ないない!」

「あ~、忘れとったぁ~!」

ではまた!
T-PADDOCK630 T/Tatsumi

2021年9月9日木曜日

『Bike in the sky』#250 体力が~!

朝晩がめっきり涼しくなってますが、まだまだ秋の季節ではありません。

しかしバイクに乗るには十分に気持ちの良い気温で先週の日曜は雨対策用のシェルパではなく急遽CB750に変更しての月ヶ瀬詣で!
CB750を囲んでもらってのシーンです。

実は当日、CBにどうしても乗りたかったのには訳がありまして・・・

それは
ウオタニのSPⅡです!

CBは予てよりプラグの火花も徐々に弱り出し、ポイントの接点部分等にも劣化と問題が散見され始めました。

ポイントなどのオリジナルのパーツもまだ手に入るのですが、電装に関しては近代兵器?の方が後々を考えると利口と言えます。

そこで何が良いのかネットや月ヶ瀬ライダーに聞くと「ウオタニはエエよ!」とのこと。

そこでウオタニにチャレンジと思ったのですが実は先にはこんなフルトラ案もあったのです。
イギリスはボイヤー製のトライアンフやBSA用のフルトラキット!

このキットは既にT-PADDOCK630のXS-1には装備済のキットです。
それが何故、もう1セットあるのか?

それは約20年以上前、このXS1を手に入れた際にレストアと同時に電装はフルトラに換装しておりました。

そこから20年くらいは問題もなく快調に走っていたのですが5年ほど前だったかな突如、調子を崩し燃料系なども調べたのですが原因が掴めませんでした。

そこで駆け込み寺のような“凄腕バイク屋”の親父さんに診断してもらうも原因の特定ができずフルトラキットを交換しようとなりました。

結局、電装系だけではなく「山之内キャブレター」の山之内さんの執念とでも表現しましょうかキャブレターの細かい且つ繊細なセッティングで息を吹き返したことがありました。

しかし原因の特定は未だ不明です。

そして、その時発注して余った?フルトラキットが今も残っているのです。

このキットは2気筒用ですので、もう1セット発注すれば4気筒のCBに対応できるとのことでしたが、このキットは日本では東京の代理店を通さないと入手できなかったと思います。

さらにオリジナルのポイントプレートの代わりのタイミングプレートのCB用はあるのか?や配線手間の難易度も分からず最終的に費用面も・・・

ということで、そこそこの費用がかかるのであれば“ポン付け”できるSPⅡが妥当と判断し購入に至りました。
「取説」に従って作業にかかりました。

いくつかの「うん?」と言うような所もありましたが概ね簡単に装着できました。

最も苦労しましたのは上の画像のブルーのコントロール・ユニットの取付位置です。

CBは大きなバッテリーケースのおかげ?で電装部品が非常にタイトな状態で収められております。

しかしSPⅡの取説には「コントロールユニットはエアクリーナーボックス後部(参考)に」と記載されておりました。

しかし、その位置はスッと取り付けられるような所ではなくいろんなパーツを取り外してしか装着はできません。

その上、このコントロールユニットには好みの走りに合わせて点火タイミング等のマッピング設定機能を持つ2つのダイヤル状のスイッチがあります。

よって、このユニットをクリーナーボックス後部のような手が入り難いところに着ければ折角の機能は活かし切れません。

で、上の画像の電装が集まる僅かな隙間にコントロールユニットを取り付けました。

画像では分かり難いですがユニット本体の左フレーム側と本体下にシルバーの薄いプレートのようなモノがご覧いただけると思います。

これはアルミのカーテンレールの笠を加工し、そこに両面テープで簡単には落ちない様にユニットをホールドして、裏はアングル材で別のステーを造りそのステーをウィンカーリレーのボルトで止めております。

この位置に取り付けると走っては止まりのチェックしながら点火タイミングのセッティングと走りは確認できます。

と言う、ここまでの話しがCBを月ヶ瀬に乗り出したかった理由なのです。

そして月ヶ瀬に到着すると皆さんにウオタニ SPⅡ装着の報告!

この時の会話は毎度の「年寄りいじり」で毎度の平和なひと時を過ごせました。

T-PADDOCK630に戻って早速プラグの焼け具合を点検しますが、まずまずと言う感じでしょうか!?

しばらくはこのCBのインプレッションを、と思っていますが・・・

そのインプレッションでは以前にT-PADDOCK630でお預かりしましたセローのアフターサービス?で前日の土曜に生駒のOka〇さんがお越しになりました。

8,9年も不動状態でしたので半ば慣らし運転後のオイル交換と臨時でクラッチ側のプッシュロッド先にある5mmほどのボールに変わるT-PADDOCK630で仮に作成しました金属パーツを純正のボールとの交換。

そして最も依頼度の高いキャブレターの再セッティングです。
クランクケース右のカバーを取り外して画像のクラッチプレートが収まるハウジング真ん中のナットを外しボールを交換!

そして外したクランクカバーを取り付けるのですが古いパッキンがカバーに固着。

これを剥がす作業がなかなかの時間を要します。

結局、当日は時間切れでOka〇氏は代車のシェルパで戻られました。

この作業は週が明けた月曜にまた再開します。
綺麗に古いパッキンを取り除いたカバー!

そして
新たに届いた新品のパッキンと六角部分の山が無くなっていたドレンプラグの新品パーツ!

これらも換装していよいよキャブレターの再セッティング!

その時の画像はセッティングに集中しすぎて撮り忘れておりましたが、やはりキャブレターのセッティングは非常に奥が深い領域です。

元々のキャブレターは長年の放置で内部が大変な状態でした。

そこに月ヶ瀬の早朝メンバーから助言も頂いて汎用のキャブキットを採用。

そのキットから使える各ジェット類は全て使ったのですが、その時のメインジェットは6種の中から番手が一番下から3番目の#125.5を使用。

そしてニードルは4種の中の一番下から2番目を選択!

このセッティングで慣らしがてら乗って頂いたのですがプラグの焼け具合が真っ黒で煤がたっぷり!

よって今回はメインジェットを下から2番目の#118。ニードルは一番下の最も太い番手を採択!

これで数10キロを乗って頂いてプラグの焼け具合は・・・
以前の煤けた真っ黒からタヌキ色に改善!

これでもう少しキツネ色になってくれれば良いのですが、ここからキツネ色にもっていくには残されたセッティングの範囲は今回のキットでは非常に少なくなってきております。

その範囲はメインジェットでは一番下の#116で最後。

ニードルは番手はもう既に後が無くニードルの5段階のクリップ位置真ん中から最上段にするしかありません。

一先ず、今回のセッティングで様子をみたいと思います。

その様子見でCB750のウオタニ SPⅡの点火時期を少し変えてみようと思った矢先、前回のフロントタイヤ事件から今度はリアタイヤがパンクしてました!

「え~、なんでやねん!」

先週の日曜は月ヶ瀬から真っすぐ戻って来ましたが、ガレージに戻ってからしばらく経って空気が抜けてしまってました。
ということで現在のT-PADDOCK630の整備スペースは2台の重量車が支配しています。

上の画像の左がW1。リアフェンダーレス化でコーダトロンカ風にしているところです。

右はCB750のリアタイヤを外してチューブを点検しますと・・・

ちっちゃなちっちゃな穴が開いており微かに空気が漏れておりました。

こういう前向きな作業とパンクのような後ろ向きな作業を同時に進めるのは・・・

ほんまに体力が落ちて、なんか趣味で楽しんでいると言えるのでしょうか!?

もう70歳も目前に迫ってきますと気力が・・・気力が・・・

とにかくしんどいです!

では~また~ぁぁぁ・・・
T-PADDOCK630 T/Tatsumi

2021年9月2日木曜日

『Bike in the sky』#249 持ちつ持たれつ!

新学期も始まりましたがコロナ感染が10代以下の子供たちにも拡がり全く予断を許さない状況が続いております。

私にも中学一年を筆頭に最年少は小学一年までの孫が6人もいることから決して他人事とは思えません。

とにかく早くコロナ禍が収まることを祈るばかりです。

しかし祈ってるわりには、この年寄りは毎週月ヶ瀬詣では欠かさず、自慢にはなりませんがマスク着用、人とは一定の距離をとる対策励行で不良っぷりを発揮しております。

その不良っぷりで先週の月ヶ瀬から!

早朝の土曜日ですが乗り出しましたバイクはHONDAのCL77カリフォルニア?仕様!

到着してしばらくすると早朝組の皆さんに囲んで頂き恒例の「ダメ出し会」が・・・

そして「どれどれ・・・」と
そのCLに跨る御仁は昨年かな?月ヶ瀬還暦クラブの仲間入りを果たされたHig〇さん

「クラッチ、重たいなぁ~!」と聞き慣れたダメ出しが始まりました。

これも儀式のひとつです。

しかし私は全く別のバイクに興味津々!
そのバイクはBMWのR100GS

同じく早朝にお越しのSi〇さんのカタナ友達のバイクです。

発売年は1987年から始まりパリ・ダカールラリーで4連勝をしたR80の後継者としたエンデューロマシンです。

色も鮮やかですがけっして奇をてらった嫌味感もなく、また旧車、旧車してるわけでもなく、かと言いて現行車ほどのスッキリ感があるわけでもなく、なんかグゥ~っと引き付けられました。
欧州は工業製品にもデザインに力を入れる国が多くグラフィック一つをとっても人を引き付ける力、いわゆる“アテンション”を意識した面がこのGSのGASタンクにも見受けられます。

他にも
マフラーのデザインと・・・また質感にも!

エンジンは既にお馴染みの水平対向ですが、このエンジンはロスの多いOHVのプッシュロッド仕様です。
そのプッシュロッドのパイプもシリンダーに合わせた造詣でスッキリ収めています。

デザイン的な面とは真逆なところも・・・
どちらかと言うと無機質?武骨?と言う言葉が合うような計器類!

この時代の計器類はイタリアでもフランスでも同様に、ある意味で戦闘的です。

ですが車体のデザインやカラーリングを柔と表現すれば計器類は剛となり「剛柔併せ持つ」センスを私見ですがカッコ良く感じます。

では日本のバイクの歴史でデザインされたのは?

と言えば、やはり欧米の乗り物を参考に?もしくは、そのまんまのコピー?という時代が相当長くありました。

そこで、かのホンダさんがヨーロッパ視察をしていろいろと部品や技術を吸収して帰国をされたそうですが「日本は他国の物マネをしていては、いつまで経っても他国の後塵を拝することになる。」と言われたとか・・・

そこで本田さんが1957年頃?閃いてデザインしたと言われたHONDA C70のフロントに代表される「神社仏閣スタイル」を日本で最初のデザインをしたバイクと言われたとか・・・

その後、正確ではありませんが1960年代に入った頃ではこの神社仏閣スタイルのバイクを用いた元祖ヒーローもののテレビドラマ、「月光仮面」で一躍有名になります。

その月光仮面が針テラスに登場!
全く月光仮面とは程遠いのですが・・・

最近、ちょこちょこ当ブログにもご登場頂いてますHin〇さんです。

ご本人が「このバイクやったらこれでしょ!」とヘルメット用?のマスクを取り出し右手にはピストルに見立てたグローブをそれ風に掲げ・・・

まぁ当日は大うけしました。

で、そのHin〇さんが跨るバイクが神社仏閣の一台。

このバイクのオーナーさんは最近、毎週お会いしています甲賀市からお越しのFu〇さん。

1959年頃のHONDA C92 ?だったかな125㏄の当時のビジネスバイク。
タンクのパッドとハンドル周りからすると1963年のベンリイCⅢ92のようでもあるのですが・・・
どちらにしても普通には部品は全く出てきません。

また昔のバイクは機能はともかく上述のBMW同様、造詣物が今には無い魅力を感じます。
上の画像は燃料コックですが存在感があります。

またワイヤーもいつ切れるか分からないことからスペアを車載されております。
さらにワイヤーのタイコもレバーに合う太さのボルトを加工して非常用に。
適合するタイコが無い場合はこの手法はアリかもです。

そんな手造りでは私も先日、とあるバイクのカスタムの依頼を受けまして、どうするか思案中でした。

そこで対象物に合うもので先にT-PADDOCKにありますバイクで試作にかかりました。
T-PADDOCKの在りものシートに補強材のアングル材を加工して取付!

次にオリジナルの鉄製フェンダーの代わりをアルミ材で製作
その結果、シートを仮で載せますと非常にすっきりした雰囲気になりました。

この段階でご依頼の方の次の計画が決まるまで一先ず中断になりますので、その日は作業を終えノンビリとテレビでも見ようと・・・・

そして時間も夜の8時頃、私の携帯に某警察署のTo〇警部から連絡が入ります。

すると・・・

警部 「今、万代の前ですねん。」

私  「どうしましたん!?」

警部 「ガソリンが・・・」

私  「え~」

警部 「そこまで押していきます」

で、汗だくでお見えになりました。
この日はこのバイクを中古で買われたので西宮まで引取りに行かれたそうです。

そして先方のバイク屋さんから「ガソリン入れときましたんで・・・」と言われ、てっきり満タンでないにしてもそこそこ入ってるだろうと、そのままご自宅がある生駒に向かわれたそうです。

ところが生駒に向かう阪奈道路上り口付近のTaichi前辺りでエンジンがブスブス・・・ブスっと止まってしまったそうです。

Taichi近くのスタンドも既に閉まっていたそうで念のために上の画像の予備タンクを確認するもゼロ!

非常時用の予備タンクが空しく映っておりますバイクは・・・
今人気のハンターカブ!

新車も考慮されたのですが「半年以上1年ほど待ち」だそうで、そこまで待てないことから中古を探されての1台を購入されました。

それがこの当日であったわけですが西宮から帰りはルンルンで走っておられた思います。

それが真かのガス欠!

そこで私にレスキューとなった訳ですが冷静に考えますと最近ガソリンスタンドが確かに減っているように思います。

私の住まう大阪東北部の東大阪はスタンドがここ数年けっこう廃業しております

近くには1軒あるのですがガソリン単価は高くまた19時頃には閉まってしまいます。

これからはちょっと用心した方が良さそうです。

この警部、次回はCB750のメンテ&整備のレクチャーでお越しになる予定です。

私は逆に白バイ隊員の方達の重量級バイクをどんな状況でもリーンウィズで軽快に走るツボを教えて欲しいのですが・・・

ここには持ちつ持たれつはないのかな?

ではまた。
T-PADDOCK630 T/Tatsumi