2024年7月11日木曜日

『Bike in the sky』#395 W1S、あの往年のサウンドが・・・

暑っついのぉ~~!!!

今まで自身は年間の季節で一番好きだったのは夏だった

ところが、ここ数年で夏は最も嫌いな季節に様変わりしてしまった

そこには熱中症による「死」が脳裏を横切る

そう思っていても月ヶ瀬に参る使命感は今のところ健在なのだが・・・

そんな先週、早朝土日の月ヶ瀬

先ず土曜日

自身は今夏から早朝5時頃に起床

そこからは日課の散歩で妻と生駒山,中腹辺りまで登り、日新高校横を抜け、自宅までの3~3.5kmほどを約40分かけてウォーキングをしている

たったこれだけで全身は汗でビッショリになる

戻ってからは速攻でシャワーを浴びるが汗は、なかなか引かない

やや汗が収まった頃合いで朝食のトースト2枚とバナナ、トマトのモーニング食を濃厚ミルクと共に食している

最後はヨーグルトのデザートで朝食はフィニッシュ!

この時点で時刻は6時30分頃だ

ここからガレージにてモーニングコーヒーを飲みながら月ケ瀬に行く準備をする

この日はW1のFCRキャブを存続させるか、ノーマルキャブに戻すか!?

大袈裟だが、自身にとってバイクライフの分水嶺になる出来事だ

そんな境地でW1と出かけた月ケ瀬には8時前頃についた

到着してビックリ!
なんとNis〇さん達だけ・・・

実は着いた時点では数人のライダーはいたが、あまりの蒸し暑さに負けて殆んどは引き返したというわけだ

そんな出来事だったのでNis〇さんには記念として写真に納まってもらった

だが隣の喜色満面の御仁と比べ、Nis〇さんは何が気に入らないのか!?

怒ってる?

う~ん、次回、聞いてみよう

で、W1の結末だが・・・

その前に明くる日の日曜日

乗り出したバイクは、今の自身の気持ちとは真逆の「冬場はまったく乗れない」NSUだ
このNSUは1955年製だが古いバイクに見受けられる「夏場は熱ダレ等で走れない」という症状とは全くと言っていいほど疎遠だ

逆に「夏場の方が調子が上がる」とまでは言えないが・・・

実は今回の乗り出しには目的があった

それは・・・ハンドルを換えての乗り味だった

前日には
ライディングフォームにウルさい?Ish〇ドクターに跨ってもらった

「オ~、ようなったやん!」だった

このハンドルは以前に紹介したようにIsh〇ドクターの寄贈品なのだ

「そらぁ~エエに決まとるわ!」と今回の試走に乗り出した・・・が・・・

・・・ところがだ!

東大阪から奈良のセブンで軽く休憩し、月ケ瀬まであと10km辺りで・・・

やや登りに差し掛かった辺りでアクセルを、すこし練り気味でエンジン回転を上げようとした

ところがエンジンの回転が3000rpmを過ぎた辺りだったか・・・

トルク感を感じる回転の上がり方から、突然「ブォ~ン」と半クラになったような・・・

明らかに空回り気味!

いわゆるクラッチが滑っている現象だ

すかさずアクセルを緩め、再度、滑らないようにジワッとアクセルを上げていくと・・・

なんとかクラッチは喰い付いて無事に月ヶ瀬に到着できた

ここで月ヶ瀬のメンバーとは暑い中でも雑談も終え、帰路に着こうと準備を始めた

NSUのエンジンをかけて暖気をしようと・・・

キックを踏んだ!

スコ~ン!とキックペダルが空回り!

「えっ!」

クラッチレバーを握った状態でキックを踏んだ時の現象だ!

再度、キックを数回踏んでみたがクラッチプレートが完全に「ダダ滑り」状態

完全にキック始動は消滅した

ならば、あとは押し掛けしか手段は残されていない

幸いNSUは車重が100kgそこそこ

月ケ瀬のメンバーにも後ろから押してもらい、難なくエンジンは目覚めた

さ~て!

こんな状態で東大阪までの50km!

途中には、けっこうな上り坂や阪奈道路の長い上り坂もある
だが、意外や意外!

スタート時は、確かにやや回転を上げなくては発進はできないが、キックが使えなかったスカスカ状態からは想像しえないほど、けっこう普通に走ってくれた

そんなドキドキ感満載でガレージに戻ってきたところに・・・
(以前の来訪時画像を使用)
押し掛けも手伝ってもらったのに写真も撮り忘れた、ご近所のYamg〇さんが・・・

「無事、帰れました?」と、わざわざ立ち寄っていただいた

押し掛けも手伝ってもらった上に、こんな気遣いも・・・

つくづく「バイクに乗ってて良かったなッ!」と感じる!

そして午後には
この方も写真を撮り忘れたが東大阪が誇る切削加工の工場経営者

その若社長がコーヒーを飲みに来訪

この社長とは月に一度のペースで「企業運営ミーティング?」をWeekdayの早朝7時に他所で行っている

その成果が出てきた?のか、Weekdayでは時間が取れず今回の様に日曜になった

そんなミーティングの最中に毎度のIsh〇ドクターもやってきた

3人にもなると話題は多岐に渡り、いろんな意味でも刺激は得られる

若社長が帰られたあとは「Buell復活作業 Part10」の様子だ
今回のドクターの作業はヘッドや各パーツの洗浄と清掃

ただ上画像のドクターの表情は旧車と同じ「熱ダレ」を起こしているような様子

いやいや当方のガレージが工場用の大型扇風機があるだけで、この日は相当暑かったのだ

そんな中でもドクターは一流並みの仕事をする

専門的な所を除き一般的なバイク屋では洗浄までは、なかなか採算的にやらずウエスによる清掃までだろう

だがドクターは気が済まないのか、念入りに手を入れている

その一部を紹介しよう
ざっくりスクレーパーで古いガスケット等を除去

そして
ロッカーアームも外し、ヘッドカバー裏側の洗いも終わり、スラッジ等も・・・

ここまで念入りに綺麗にしても長年のツケの跡は除去できない

また
ヘッド表面もスクレーパーで傷をつけないよう慎重に旧いガスケットも除去していく

そして
手磨きでピッカピカに仕上がったヘッドカバーとヘッドの裏側

新品とまでは言えないが同等の輝きを取り戻している

ヘッドカバーのようなビジュアル的に目立つところは・・・
ここまで磨きを入れると、もはや修理とは言わない

明らかにレストア屋の領域になってくる

極めつけは
プッシュロッドカバー?だったか!?

「どや!ピッカピカやろ!」

と、言わんばかりの輝き様ではないか!?

「自身のW1もお願いしようかなぁ~」と、思うほどキレイに仕上げていく

そして冒頭、本題の当方のW1に話を戻そう
前日の走行でキャブはFCRからノーマルキャブに戻すことにした

そこには前週にも記したが、W1のアイドリング時の不安定さが起因している

戻って再度、ワイヤーやワイヤーのリンケージ辺りを探ってみた

一つは見つかった
上画像のマイナスドライバーが示す先に切れた極細の一本のワイヤーが跳ねていた

散々、今までこういう事象も疑って探していたが見つけることはできなかった

キャブ側のタイコから10mmほどの位置で切れ、切れた相手のワイヤーはタイコ側に残っているはずだが、まったくの行方不明

このワイヤーは引き側であることから、アイドリング時の不整脈はこれで断定できた

と思いたい

こんな話をドクターとしていたら、ドクターは

「おー、それもあるやろけどFCRはデリケートやからシャッター状のスロットルバルブにも経年による微妙な隙間ができて調子崩すし、他のパーツもガタが出るで!」と言う

それは確かにあることは理解しているつもりだ!

これが自身が、あと10年、いやあと数年でも若かったらドクターが言われる様にワイヤーはじめ全てのパーツを交換してたであろう

だが自身の余生と費用対効果を考慮すれば得策とは思えなかった

けっして費用に対してケチっているわけでもなく、またW1への思いが消えたわけでもない

75歳まで、いかに楽しくW1にのんびり乗れるか!?

よってノンビリであればノーマルのキャブレターで十分だという結論に至った

早速・・・
ノーマルのキャブを引っ張り出して点検を兼ね、オーバーホール

少々、ホコリを被っていたが・・・

もっとも気になったのは長年、放置していてゴム類が劣化していないか
目視と触感で何とも言えないがゴム類は、まだ弾力があり、各部位の摺動性も良好だった

きれいに洗って車体に取り付けた
ここまでは作業は、すんなり進んだ

ところが別の問題が発生
ハンドルに取り付けるノーマルの電装スイッチ

これだと折角のアンティークレバーや旧車御用達のスイッチは交換となる

よって今までの仕様で、いくことにしたが別の問題が発生

ノーマルのキャブにはノーマルの元々のワイヤー類を使わなければならない

特にアクセルグリップのホルダーは・・・

ダメ元でFCR用のハイスログリップにノーマルのアクセルワイヤーが付けられるのか
少しアクセルワイヤーのタイコが踊るが、なんとか行けそうだ

ただ、このFCR用ホルダーはワイヤーが引き側、戻し側の二つの穴がある仕様で戻し側の穴が大きく開いたままだ

ちょうど良い形のスポンジがあったのでハメてみた

「う~ん、たぶん誰も気がつかんだろう」と、ニンマリしていた

そして次は難儀した
ノーマルのキャブにはチョークなる石器時代の装備が添えられている

おまけにアップハンドルなる、さらに重量車用の幅が広いタイプのハンドルゆえ、チョークレバーのワイヤーもスコブル長い

現在の自身のW1は一文字仕様ゆえ、チョークレバーを取付けたとしてもワイヤーが余ってどうにもならない

だが、どうにかしなければならい

どうにかしてみた!

幸いチョークワイヤーは極細で、メインフレーム下を左から遠回しに右側へ回し、さらにそこから左上へとハンドルポスト上部へ回した

そして、一文字ハンドルの左部分ギリギリに収まった

少々強引だったがワイヤーの摺動性はさほど悪くない

これでまた「このレバーなんですの?」と聞かれるのが楽しみだ

そしてホースを繋いでエンジンを掛けようと試みたが・・・
「そっか!」と思い出しながら・・・

Wのキャブはメイン用と予備タンク用として左右2系統づつの合わせて4つの給油口があったのを忘れていた

だが自身のWのタンクは特注品でコックも一つで給油口も一つしかない

であれば対処として左右のノーマルキャブの予備用給油口にメクラ蓋を被せて封印

これで今まで通りの状態になりエンジンをかけてみる

その前に、また別の思い出したことが出てきた

ノーマルキャブには「ティクラ―」と言われるフロート室にガソリンを呼び込むポンプが左右に装備されている

そのティクラーを左右、数回ポンピングをするとガソリンがオーバーフローパイプから溢れ出す

左右、溢れてきた

エンジンキーをONにする

キックを2,3回踏んだ

すると最初は、ちょっとバラついていたが左右のアイドルアジャスターで回転を合わせる

すると、いとも簡単に、あのWの「ドッ、ドッ、ドッ、ドッ・・・」という腹に響く重低音の排気音がガレージ内に響き渡ったではないか

思わず「よっしゃー!」と感嘆符が付いた

あとは、もう少し詰めて試乗をしてみないと何とも言えない

だが今回は「ただノーマルキャブに戻しただけ」なのに何故か試乗するのに、すごくワクワクしている

インプレッションを書けるのが楽しみだ!

T-PADDOCK630 T/Tatsumi

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