2025年4月17日木曜日

『Bike in the sky』#434 探し続け・・・やっと!

先週は、セコいガレージライフを記事にした

そのセコいガレージライフは今週も健在だ!

そもそもガレージライフを今になって、なぜセコく過ごさなければならないのか!?

そこには自身の「75歳問題」が纏わり付いている

その「75歳問題」とは・・・

これも毎度、言い続けている「75歳でバイクを降りる」という話だ

自身が間もなく73歳になる今、自身の認知機能や身体的な機能も明らかに低下が見て取れる

特にバイクでは、これらの機能低下を放置したままでは大事故になりかねない

こんな背景でガレージをこれ以上、充実させたところで何のメリットも生まない

そのT-PADDOCK630ガレージのバイクの蔵車は、残すところ現行のシェルパを除き5台だ

この5台も動態維持の為、定期的には乗り出している

しかし冬場には乗れないNSUは、これからが動態維持のシーズンを迎える

そのNSUを先週の土曜日は月ヶ瀬に乗り出した

当日はガレージを7時過ぎに出発予定だったが、気温はまだ低くエンジンの暖機に10分以上の時間を費やした

今時の乗り物はエンジンを掛ければ、数秒ほど軽く暖機するだけで冬場も即座に走れる

だが、このNSUは真冬を、そう容易くは走れない

素人ながら解説すれば一つはデ・コンプを必要とする高圧縮なエンジンやドライサンプなど、当時としては先進の機能を備えていた

またキャブ吸気口も40度ほど外側に向いているため、冬場は冷気をモロ吸い込む事になる

今から70年も前にNSU社は速く走る為のチューニングや空力を車体にも手を入れていた

このNSU社は、あの「HONDAの本田宗一郎氏が範とした」と言われる当時の先進企業だ

話しは、また長くなるがNSU社は1950年中頃の当時では世界最大のバイクメーカーだった

そのNSU社は第二次世界大戦以前からドイツの街、ネッカーズルム付近に会社と工場を有していた

そのネッカーズルムという街はネッカー川とズルム川が合流する場所にあったと聞く

その地名のネッカーズルム「NeckarSulm」のスペルからN、S、Uを取ってNSUとしている

だが、この地でNSU社は第二次世界大戦以前、元々は被服のニット会社だった

ニット屋が世界最大のバイク屋になっていたとは驚くが、そう言えばトヨタも前身が豊田織機とした糸絡みで世界一の自動車メーカーになっている

ただNSU社は、1960年過ぎ頃までは成長企業として注目をされた訳だが、後に手を出した「ロータリーエンジン車」の失敗で、最後は倒産に追い込まれる

NSU、トヨタ両社とも糸偏企業だったが、恥ずかしながら自身も実家は綛(かせ)業で糸屋を営んでいた

自身は20歳過ぎで家出をし、紆余曲折を経て30歳で子供服企画製造販売の会社を起業することになった

そして60歳で引退し「バイク屋ごっこ」と称した「乗り物の道すがら」にいる

糸偏がらみは乗り物に通ずる道があるのか!?

「たぶん・・・」と、疑わなくともまったく何も因果関係はないだろう

話しを戻して、その月ヶ瀬は・・・

長閑な気候に最前列のトライアンフ・ボンネビル?が眩しい

他にも毎度の十数人のメンバーが談笑していた

春がやっと来たと感じさせる陽だまり
そんな陽だまりはバイク乗りの日々の憂さを晴らし、気持ちまでも和ましてくれる

その中には・・・
NSUと同郷の1980年前後だったか、ポルシェ930ターボもいた

このポルシェは調子を少し崩してるらしいが、当日のオーナーの気分は春ゆえのポルシェに乗りたかったらしい?

そういう気分は分かるような気がする

同じ同郷のドイツ車でもNSU社とは天と地ほどの大違いで、ポルシェ社は一先ず健在だ

そして生まれ故郷を失った自身のNSUは放浪車の如く、当日は針テラスにも寄った
前回とは違い、当日は多数のバイクが集まっていた

だが・・・            
今シーズンも、針テラスはやはり現行車が多い

その針テラスでNSUは「なんじゃこりゃ!」

と、「ゲテモノ」を見るが如くだった

よって居場所もないNSUはガレージに、そそくさと引き上げた

絶好調でガレージに引き上げたNSUには定期点検が待っていた

その定期点検とは・・・
リアカウル後尾内側にあるオイルキャッチタンクの廃油の処理だ

これが溜まってくるとタンク内のガス抜き孔?から微量の廃油が後方へ飛散する

よって前回、空にしてから時が経っているのでチェックをした
お~!案の定だ!

前回同様、おおよそ150㏄ぐらいの真っ黒な廃油だ

ただ、その廃油を指に着けて粘りを確認した

もっとサラっとした感覚と思いきや、意外とネバっとしているではないか!?

しばらく乗らない時のオイルチェックでは少し粘った感覚はあるが今回の様に100km以上の走行後、僅か1時間ぐらいでこの粘りは意外だった

今年の夏場で、再度チェックしてみよう

そして、明くる日のガレージにはT-PADDOCK630閉店準備のバイクのパーツが届いた
そのパーツはヤフオクや部品屋などで、何年来と探していたパーツだった

20年以上は探していた、そのパーツはRT1のフロントフェンダーだ
上画像のRT1のフロントフェンダーはモトクロス用のステーを介したアップフェンダーだ

これが車体から外したアップフェンダーとステー一式だ
ノーマルと比較しても格段に軽い

これはこれでスタイリッシュで悪くはないが、一般道を走っている時に水溜まりや急な雨に出くわした時は最悪だ

フロントタイヤが巻き上げる水しぶきが、ライダーの顔面を目がけて掛かって来る

そんな理由で探していたが、なかなか見つからなかった

それが最近、ヤフオクに出ていたが、なんとか落札できた

オークション画像では、さほど程度が悪い状態には見えなかったが、フェンダー裏はそれなりのサビがあった

早速、サビを落とし・・・
ステーやグロメットゴムもバラシて・・・

ステーは軽度のサビだったがグロメットゴムはフェンダーから外そうと、少し力を入れただけでミイラ現象が如くパラパラと粉々になった

まぁ、あるあるな話だ

一先ずフェンダー裏のサビを落とし、軽く裏面のみ塗装

続いてステーも磨き新品の市販グロメットゴムもハメてフェンダーを組む

そしてフェンダー表面!

表面は前所有者が自ら塗装をしたのか不明だが、中途半端な状態だった

ここから再塗装をするか、そのまま使うか!?

悩んだが・・・

だが、ここで綺麗に再塗装を掛けるのは、レストア後20年以上経った現状のRT1を見ると微妙な判断になる
よって一先ず取り付け、白日の下に晒し、違和感が出るかを確認してからの判断とした

取付けた
悪くはないが、ノーマルフェンダーは思ったほどの感動が無い

少し離れて眺めても・・・
なんか大人しい昔のオフ車にしか見えない

「昔って、55年も前の・・・大昔のバイクでっせ!」

そんな声が聞こえてきそうだ!

T-PADDOCK630 T/Tatsumi

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