今週はT-PADDOCK630のRT-1の詳細をお話しします。
と、その前に昨日の日曜、NSUにて、いつもの月ヶ瀬~針テラスのコースで
キャブセッティング後のテスト走行をしてきました。
当日は天気が超気持ちいい、バイク日和でNSUも朝からエンジン一発で始動。
なんとなく「おっ、今日はなんかエエ感じで走れるんちゃう!?」と予感しながら
T-PADDOCK630のガレージをあとにすることに・・・・
ところが走り始めようとアクセルを開けると直ぐ、キャブが ’ブシュッ、シュパッ、シュパッ・・’
とダダをコね、エンジンも ’ブロ、ロ、ロ、ロ・・・’とブロー状態。
「え~!あかんやん!」とちょっと動揺が走る。
落ち着いて考えれば、その日の朝6時過ぎは相当気温も低い状態。
実は、先週からキャブセッティングをするにあたっての症状がアイドリングが全く利かず、また若干、ヒート気味。
原因はキャブのスロージェットでは?となりスロージェットを確認すると#60という
ビッグホール!これでは少々厳しいので通常の#25~#35辺りから試すと今度は
全く発進できない。ここから徐々に大きくしていくが、結局#45辺りが適当ではとなるのだがあと少しのところが煮つまらない。よって#45と#50の間のジェットとなり#45を
凄腕バイク屋で超極細ハンドドリルによってホール加工を行う。
結果、エンジンが温まればやっと普通に発進し、試走レベルでアイドリングも安定する
ところに落ち着いた。
(こういう事情があって・・・・)
よって、スロットルを開けず暫くエンジンを温める。・・・・すると
アクセルグリップをゆっくり捻るように回すと先ほどとは、うって変って
’クウォ~ン、クウォ~ン’とやや甲高い排気音というか’雄叫び’をあげ無事に発進。
そこから月ヶ瀬までの約50kmは途中、阪奈道路のヘアピンカーブ有りの登りもグイグイ
力強く加速しながら、またストレートの登りもトップギアで60年前のバイクとは思えない
安定感で80km/h巡航状態でも全くストレスは感じなかった。
そして奈良公園から柳生、月ヶ瀬まで、今度はやや道も荒れるがけっこう楽しい
バイク乗り御用達の峠道。
ここもNSUは全くのベストコンディションで無事に月ヶ瀬のお茶屋に到着。
到着してもエンジンはすぐに切らず暫くはアイドル状態でアイドリングの落ち着きを
チェックする。
タコメーターは1500rpm~1800rpmを指し、ややバラつき感はあるがSTACK社製の
クロノモードタイプのタコメーターゆえ、正確な回転数は読み取り難い。
しかし、エンジンの調子からすると、ほぼ安定感は確保できたと言える。
月ヶ瀬のお茶屋ではいつものメンバーと談笑しながら1時間ほど休憩。
この日は天候良く、いつもよりバイクが多くいた。
これからはもっとバイクが多くなる日が、また増えるのだと思うと年甲斐もなく楽しくなる。
また、この日のお茶屋には、元ヨシムラのメカニックでN氏というすごい方が来られており
いろいろバイクの手の入れ方などレクチャーを聞いていた。
「う~ん、なるほど・・・!」「あ~、そうするのか・・・」などなど、さすが職人!と
大いに刺激を頂いた。
さて、前置きは長くなってしまいましたが
360RT‐1についての詳細です。
まず、RT-1が生まれたのは1970年。
68年にデビューしたDT‐1(250cc)の大ヒットに伴い、ヤマハは70年に入ると
FT50、JT60、90HT‐1、125AT-1、175CT-1、と全7台のトレールモデルを
ラインナップした。
コンセプトはDT-1に準じ基本の骨格を共通のデザインで構成している。
全て、2サイクルピストンバルブの5ポートエンジンを採用。
特にこのRT-1ではシリンダーをアルミ合金製としている。
出力は、当時としては有り余るパワーと太いトルクを持ち、フラットな出力特性で
4サイクルの様に扱いやすいという宣伝文句で売り出された。
また、ケッチン対策から70年の後期型からはデ・コンプが装備されていた。
排気量 351cc
ボア×ストローク 80×70mm
圧縮比 6.3
最高出力 30ps
最大トルク 3.6 ㎏m/5500rpm
点火方式 マグネトー
重量 119kg
最高速度 130㎞/h
価格(当時) 223,000円
(DT-1 193,000円)
そして、T-PADDOCK630のRT-1はデ・コンプなしの初期型です。
基本的には上記RT-1と同じですが、この車両はカリフォルニアからの逆車です。
そのバイクを平成13年に入手し、10か月ほど要してアレンジ(レストア?)しました。
当時発売のRT-1はちょっと見づらいですが上の写真の様に黒の精悍なカラーリングで
今でも通用するカッコ良さがありました。
しかし、この当方のRT-1を入手した時の状態はLAにてダートラ競技かモトクロスかを
やっていたようなコンディションで外見は少々、痛みがある状態でフロントフェンダーなどの
部品もありませんでした。
しかし、エンジンは凄腕バイク屋にて点火系を他車より移植することにより息を吹き返し
特筆すべきは元々、装着されていたキャブレターのせいか、実際エンジンをかけ
スタートすると’パラン、パラン、パラパラ、パラン’と前後にしゃくりながら全く落ち着きのない
走りです。
ところが、一気にアクセルを開けると今度は別物の’パーーーン’という2スト独特の
レーシーな強烈な加速を見せフロントがふわっと浮き上がります。
思わず「おっとっと・・・!」とアクセルを戻す始末です。
乗り終えた時、顔がニヤっとしながら「メッチャおもろいやん!」が第一声でした。
最高速も調子に乗り過ぎると150km/hまで一気に加速してしまう有様です。
なので、ノーマルのRT-1の説明書きにあるように「4サイクル並みの扱いやすさ」は
当方のRT-1にはありません。はっきり言ってじゃじゃ馬です。けど、メッチャおもろいです。
アレンジ箇所
・フレーム
アメリカンブルー
・ガス&オイルタンク
クラッシックイエロー
・スピード&タコ
オレンジブルバード
・ウィンカー
AT-1用リプロ
・テールライト
アルミダイキャスト製
スモールライト
などなど
そういうバイクですので思い切ってアメリカ西海岸を意識し、
アメリカから帰ってきた帰国子女的にアレンジしてみました。
是非一度、ご覧に&試乗にお越しください。
ではまた。
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