2021年10月21日木曜日

『Bike in the sky』#256 〇ー〇ーはすぐ壊れるって?

「昔と比べて労働時間は減少し足元も横ばいで推移している。しかし自由な時間は減ったと感じている人が増えている。」

と、あるビジネス紙面に現代の労働事情が掲載されておりました。

そこにはテクノロジーの進化で余暇と仕事の境界が曖昧になり「マルチタスク化」が一層進んだことが関係しているようです。

さらにコロナ禍でリモートワークが浸透し、その傾向はより顕著になりました。

そこで、ふと疑問!

その余暇を満足に自身の時間として取得できている人は、いったいどれほど存在しているのか!?
(上記画像と本文内容とは直接、関係はありません)
中には余暇でオフロードレースなどを楽しむ人たちもいますが・・・

以前、毎度の月ヶ瀬早朝会議?で、そこに居合わせた早朝組ライダーに余暇に絡み「定年退職時期」について私見ながら考え方を説いておりました。

特に「バイクにいつまでも乗っていたい」や「バイクと関わっていたい」などなどが潜在的にあれば参考程度に「絶対、退職は早い方が良い」と経験上の持論を話しておりました。

当然、退職後の生活設計を立てることは必要ですが・・・

また今すぐに、そこまでは考慮せずとも現状でも我々は上手に休むことを覚えなければならないでしょう!

少々固い話しになりましたが、あくまで私の経験則です。

その経験則とは・・・

まずバイカーにですがバイクに楽しく乗るにはある程度、体力も求められます。

ところが私の場合、55歳を過ぎた辺りから毎年、体力の低下が自覚できました。

「このままあと10年頑張ったとして65歳で引退した時、大型バイクで峠をヒラヒラと乗れるのか!?」と、将来のバイクライフに一抹の不安!

「これでは最低でも60歳で引退しないとバイクを楽しむどころか『観てるだけ~』になるんちゃう!?」と自問自答と共に恐怖にも似た感情を持ちました。
(上記画像と本文内容とは関係ありません)
一昨年?の“古き二輪を愛でる会”から「観てるだけ」だった私のワンシーンです。

ちょっと話が長くなってます。

そんなことで、めでたく?60歳で引退しましたが、そこから65歳まで毎年ごとの体力の低下は「ドン!ドン!ドン!」と下落幅を数値化すれば感覚的に50cmづつぐらい落ちだしました。

さらに65歳から70歳までのあと数か月の現在までの下落幅は「ド~ン!ドド~ン!ドドド~ン!」と1m、1.5m、1.8m・・・ぐらいの倍速以上で低下している感覚です。

ということは元気にバイクに乗れる期間は私は既に少なかったという結論に至りました。

そんな事を思い返していた矢先、私が体力低下を感じた55歳より少し若いライダーが先日の土曜にT-PADDOCK630にやってきました。

そのライダーは
土曜日の月ヶ瀬に「久々の連休が取れた」と高松からお越しのHir〇さん!

相変わらず“イチビリ”ですが元気そうでした。

当日はMat〇さんによる「ひとり試乗会Part4?」が開催中で・・・
Oka〇さんのYAMAHA MT-09ですが先週も別のMT-09乗ってるのに何を知りたく試乗に臨んでいるのか!?

そして高松からお越しになったHir〇さんのバイクにも・・・
ハーレー・スポーツスター1200です。

先週試乗会のハーレー883よりはさらに大排気量車!

で、その乗り味は・・・

このバイクについては後ほど、別の話題が・・・

またMat〇さんはこの方のBMWの試乗を、なぜチャレンジしないのか?
月ケ瀬の名誉会長?Na〇さんのBMWですが、バイクよりもNa〇さんに遠慮したのか、さては試乗は済ませていたのか!?

上の画像はNa〇さんが新しく買われたヘルメットにT-PADDOCK630のステッカーを貼って頂いた記念の一枚です。

そしてこの後、ドラマが起きます!

私は、月ヶ瀬から針テラスに向かってお馴染みのCB450ライダー、Haya〇さんとジョインします。
ジョインしてからお茶してるところに画像の外人さんが寄ってきて・・・

「このバイクは(CB450を指して)、あなたのですか?」と私に聞いてきました。

「いや、この人(Haya〇さん)のです。」と私が返すと、その外人さんは・・・

「ボク、メッチャ好きですねん!」と、いきなりの流暢な関西弁で話してきました。

思わずHaya〇さんと笑いながら・・・私は

「日本は長いのですか?」と質問をすると

「そうですねん!もう30年ぐらいになりますわ!」と

そして私は質問を続け

「え~、そうですの!?どちらの国からですか?」と聞くと

「アメリカのニューヨークですねん!」

そこで私は

「アメリカのど真ん中(中心地)の人やったら本場のハーレーがありますやん!」と言いましたら

「いや~、ハーレーはあきません!すぐ壊れますやん!」

それを聞いて私とHaya〇さんは大笑いしました。

そして質問を続け「じゃ~今日は何に乗って来たんですか?」

すると

「あれですねん!」

と、黒っぽいハーレーのようなフォルムのバイクを指さして・・・

あまりにその外人さんが面白い方だったのでそのバイクの写真を撮り忘れておりました。
ニューヨーク滞在時に撮ったSUZUKIの何とかいうバイクですが、その外人さんのバイクはこれと同しで色は黒だったのです。

その後、話はさらに盛り上がりましたが、その外人さんは

「そろそろ行きますわ!帰んのが遅なったら嫁さんに怒られますねん!」

と、暮らしぶりまでそのまんま関西のお父さんになってはりました。

その針テラスから、私は昼前にガレージに戻ってきたのですが同時に近くから「ドッ ドッ ドッ ドッ」と、誰が聞いてもハーレーとわかる排気音が近づいてT-PADDOCK前で止りました。

朝方、月ケ瀬にいたHir〇さんです。

「そんなに私に会いたかったのか!?」と錯覚しつつガレージ内に招き入れて

「え~、どしたん?」と尋ねると

「高松に帰るとこで阪奈道路走ってる途中、左のクランクケースから『グルグルグル』と、ちょっと異音というか、嫌な感じの音が出だしましてん!」

「で、ちょっと気になるのでクランクの点検ができそうな所がないか、頭ん中を巡らしてたら『アッ!タツミさんとこがあるやん!』ってことで来ましてん!」でした。

さてここからが問題がいろいろと・・・

で、早速作業開始です!

私はハーレーの知識が皆無ですのでHir〇さんが要望される工具を出す、言わば器械出しのオペナースのような立場でお手伝い。

まずT-PADDOCKの手術台にハーレーを乗せ、Hir〇さんはクランク左側のプライマリーチェーン?がある点検口を開け始めます。

その点検口を止めるビス頭はトルクス形状!

それに合うトルクスレンチはあったのですが、トルクス先端を点検口にセットして左回りに力を入れ、さらにグッと力をかけた瞬間、「バキッ!」っとトルクス先端が折れてしまいました。

しかし、別のトルクス・ビットでなんとか開いてチェーンの弛みを点検するも問題なし!

となると、その異音の出どころはHir〇さんの経験上でクランクシャフト周りに疑惑があるとのこと。

この段階で、今からクランクケース左カバーを全開し修理となると作業的に大仰になります。

そこでどうしたものか!?と問題点を特定したくHir〇さんは思案をしてたのですが・・・

ふと思いついた私は

「近所にハーレー系のエンジン触らせたら、けっこう”ヤル”おっさん知ってるで!」

「ちょっと気性は『そんなもん、あ~やって、こ~やったら治るやんけッ!』とえらそうに上から喋るおっさんやけどな!」というと

Hir〇さんは「えぇ~そうですの!?でも、そんなに詳しい人がいたはるんやったらお願いしますわ~」となり早速、そのオッサンを呼ぶべく電話をします。

すると、そのオッサンは「今、タイヤ交換中やねんけど・・・う~ん・・・う~ん・・・わかった!すぐ行く!」

で、ほんまに10分ほどでT-PADDOCKに到着!

こんなバイクで登場!
近所の「パパさん(883)」ことIshi〇さんですが、見るなりHir〇さんは

「なんや!Ishi〇さんですかいな!?どんなオッサンがくるのかと思てましたやん!」と苦笑い。

で、到着してからIshi〇さんはHir〇さんに症状について根掘り葉掘りと質問!

いろいろと質疑を経て・・・

「あ~、それは十中八九、クランク左側エンドのビッグナットの緩みやわ!」
とIshi〇さん。

しかし念の為、その他の症状についてお二人でディスカス!

内容は「ハーレーのエンジンはここが弱いとか、あれがあかんとか・・・」でした。

その時、私はこの場で針テラスの外人さんを思い出し

「ハーレーは、よう壊れるから乗れへんって言うてるアメリカ人に今日、針で会うてきたで!」

と、上述のアメリカ人の話しをしたらお二人とも大笑いをしながら

「たしかにその通りやわ!」と、そのアメリカ人に納得?してはりました。

結果として

その他にもHir〇さんハーレーに問題があった場合T-PADDOCKではどの道、対処ができないことからHir〇さんは高松まで公共交通機関で帰り軽バンで明日、引取りに来ることになりました。
この後、3人でハーレー談議で盛り上がるのですが私はハーレーのメカ?と言うよりハーレーそのものについて、あまり知識がなくお二人の会話に付いて行けませんでした。

なので上の画像のHir〇さんが着用しているスウェットが「Tatsu-G(タツジイ)トレーナー」なのですが、以前Hir〇さんに強奪された話をして、お二人の会話に割り込んだったんです。

・・・時も流れ

ご依頼通りスポスタはT-PADDOCKで一晩預かることになったのですが、ここからHir〇さんには公共交通機関で帰っていただくのは少々気の毒と思い・・・

「うちのDucati MHeで乗って帰って、そっちの軽バンにMHeを積んで明日来たら楽ちゃうの?」とお勧めしたのですが・・・

「いや~やめときますわ!」

で結局、T-PADDOCK最寄り駅の新石切までお送りしました。

そして、明くる日の夕方6時

軽バンでHir〇さんは引取りで再度お越し!
早速、軽バンに積み込むにしても邪魔になるミラー等を外す作業用のインチ工具持参です。

この大柄なハーレーが何とか積載できるよう各所に工夫された軽バン!

ちゃんと収まりました。

無事に戻られた明くる日の月曜夜、Hir〇さんから律儀にお礼のコメントと画像が届きます。
以下はHir〇さんのコメントの抜粋です。

「Ishi〇さんのお見立て通りクランクエンドのナット(上の画像の指さし箇所)が緩んでおりました。このあとマグネットローターを外しスプラインもチェックしましたが気になる打刻痕もなく問題はなさそうです。」

さらにHir〇さんのコメント

「『なんやしょうもな!』とか言う声が聞こえてきそうですが(笑)明日は赤のネジロック買うてきて組むことしま~す。✌」

と、アメリカ人が言う「ハーレーはすぐ壊れる」の話しを聞いた直後で起きた今回の出来事!

非常に説得力のある話題でしたが、話を冒頭のバイク趣味人の退職時期に戻して・・・

今回の出来事はすべて『Bike in the sky(バイクに纏わる絵空事)』そのもののような話題でした。

しかし、バイクに乗るにも楽しさ満載の大型バイクはやはり体力が欠かせません。

また今回のようにエンジン修理となると、さらに脳ミソを駆使する知力も欠かせません。

かくいう私、体力も知力も落ちて笑えない日々です。

「ジィさん、ジィさん、ちゃんと起きれたか?」

「夜中にオシッコ、何回いくの?」

と、また月ヶ瀬ライダーの労り?の声が聞こえてきます。

では!
T-PADDOCK630 T/Tatsumi

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