復活させたバイクがちゃんと走った時の感動は新車で手に入れた時とは比べものになりません。
そんなT-PADDOCK630のバイクを綺麗に写真に収めていただきました。
先ずご近所のHONDA DIO 110に乗られる突然のお客様。
こういった突然のお客さんはけっこういらっしゃるのですが、それもほとんどが原チャのお客さん。
大抵の方はガレージ入口のガラス戸を開けて・・・
「すんません。こちらはバイク屋さんですか?」の一声から入って来られます。
そこでの対応は
「すんません。うちは原チャは扱ってませんねん!」と、ほぼ100%お断りをしております。
ところがDIOのお客さんは入って来られるなり当方をバイク屋と完全に決めつけて来られました。
その時の会話が・・・
「しばらく振りで乗ったのですがエンジンがなかなか掛からず、乗れても信号待ちとかで止まるとエンジンが不安定でエンストしそうになりますねん!」
と、いきなりのバイクの不良具合の説明をされました。
少々勢いに押されたところもあって、私は・・・
「どのぐらい乗ってませんの?走り出した特はどんな感じです?アクセル開けた時は・・・?」などなど
なぜか、よくある近所のバイク屋と客のやり取りのワンシーンになっていました。
で、内容を確認して
「キャブの掃除で治るんちゃいます!?」と返答し修理を受けてしまいました。
今でもなんで受けてしまったのか、不思議です!
で、そのDIOの修理を受けてから・・・
「あっちゃ~・・・」と、後悔!
DIOは110ccのスクーターですからシート下の塩ビ素材?のヘルメット等の収納ケースを外さないとエンジンやキャブには触れません。
その収納ケースを外した時の「あっちゃ~」なのです。
開けるなりシート下はクモの巣だらけでホコリまみれ!さらに蜘蛛の巣やホコリをエアーで吹き飛ばしても上の画像の通り!
そして、よくよく観るとキャブレターの形状がおかしい!
「うん?これってインジェクションじゃねぇ~!?」
ここで、インジェクションなど触ったことのない私としては「ギブアップ宣言」を発しようかと思ったのですが、冷静に各部の摺動状態を確認すると・・・
「うん?なんかイケそうちゃうかな・・・」とまったく根拠のない手応え!
そして、キックを踏み下ろしても下りたままで跳ね上がって来ないことも仰ってた!
よってシート下エンジンのサイドカバーを外しにかかります。
そのカバーもすんなり外れず・・・
それもそのはず緩衝用のスポンジ材が腐ってカバー内は砂だらけ!その腐ったスポンジの相手側は・・・
なんと、「水溜まりに浸かったままでは・・・」と思えるぐらいの腐食状態!「イケそうちゃうかな・・・」の感想はこの時点で却下!
と思ったのですが・・・
すでに30分以上、時間を費やし不調の原因を探ってきましたのでもう少し探っていくと・・・
「バッテリーが完全に落ちているのでは・・・」の勝手な結論!
そして、そのバッテリの在り処を見つけるのにDIOの空間らしきスペースを確認して回ると「フロントカウルでは?」に到達!
そのフロントカウルも3本のビスの内、2本は直ぐに特定できたのですが残り1本が「どやって外すん?」
私は、ほぼ旧車ばかりを触っています。
唯一、現行のDucati MHeはお掃除をするくらいで購入当初より治外法権とでも言いましょうか整備に纏わるような手入れはしてませんので今時の新しいビス関係は全く疎い状況です。
なんとか外し方を見つけてカウルは外れました。
すると・・・
バッテリーが見つかりました。テスターで電圧を測りますが針は5Vあたり。
念の為、充電器にかけてチェックをします。
泥んこのバッテリーですので、たぶんアウトと思います。よって、新品のバッテリーを手配する旨、オーナーさんの了承を取ります。
すると・・・
「ついでにオイル交換もお願いします。」と依頼を受けます。
受けたものの
「この手のスクーターってどんなオイルをどのくらいの量を入れるん?」とまたもや疑問!
早速、パソコンで検索するとグレードは何となく思っていた通りでしたがビックリしたのがオイル量が0.7Lと、なんと少ない量なのか!?
そしてバッテリー、オイルのブツも届いて一応の修理は終わり給油すべきところは給油して汚れた箇所は掃除して・・・終了!
さてテストランです。
近所を1kmほど走りましたが完璧!
さすがに人様のバイクは気を使いますが、でき上ると些細な修理でも(スクーターの修理はけっして些細ではないです)バイク屋ごっこのような仕事観は味わえます。
終わっての感想は「けっこう勉強になりました」ってとこです。
そして次のお客様は・・・
奈良県の某市のOKa〇さん奥様のオフロードバイクの復活プロジェクト!
先週末に引取りに伺いました時の画像です。
そして持って帰ってから少しづつ手を入れていこうと作業を始めましたが・・・
こちらのバイクも先のDIOと同じでホコリまみれ。さらに問題は放置期間が8年以上と相当な年数!
作業を始めましたがとにかくネジ類が固着してカチカチ状態!
そんな状態であることから「ピストンは上下に動くのか?」が先に確認が必要です。
プラグを外して圧力を開放し、ピストンを動かしますが・・・まったくウンともスンとも状態!
「え~、ウソやろ!?」
と思いつつも旧車ではよくある話!
ですが、このオフロード車は旧車ではなく現行車!
ここは扱いを旧車として進めます。
よってプラグ穴から油をたっぷり気味に流し込みしばらく時間を置きます。
小1時間ほど待ってエンジンのクランクケース左側のキャップを外しクランクに繋がっている17mmのボルト頭をギュッと捻るような感じでジワッと力をかけます。
当初はビクともしなかったクランクも、もう少し力を入れると・・・
「ギュ、グッ、シュ、シュシュ、シュ~」とピストンが動き出しました。
「ふ~、ヤレヤレ!」と・・・
ですが
キャブレター周りや制御系の電装回りは真に「納屋の隅に眠っていた超古代車」の様相!さてこのオフ車の復活プロジェクト、どうなるやらです。
しかし、T-PADDOCK630のバイクも今回のような状態は数台ありました。
そんな状態でも復活させ綺麗にして走り出すと冒頭のような写真に収まると新旧問わず自身の味わいに変わります。
今回のオフ車もCBの様に、そうなるよう気を入れていきます。
ではまた!
T-PADDOCK630 T/Tatsumi
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