2021年6月3日木曜日

『Bike in the sky』#236 バイクの顔ってどこ?

今号はバイクの顔?について私が思うままに綴ります。

そもそも「バイクの顔って どこ?」と、尋ねられたたら一般的にはクルマではフロントグリル。

すなわち前部を指すでしょう!

しかし今時のクルマ・・・SUV全盛の時代ではエンブレムを取れば一瞬、どこのメーカーなのか?

また軽4輪のワンボックス車は特に見分けがつきにくいと感じます。

ではバイクの場合、前から観るとほとんどの2輪がT字になることから、パッと見た時の個性というのは昔から表現しにくかったと思われます。

よって現代のクルマやバイクの顔について語っても、あまり意味をなしませんので1970年前後から以前の「旧車」とカテゴライズさせていただきます。

しかし今号は「バイクの顔について」ですのでクルマについては機会があれば取り上げたいと思います。

その旧車の「バイクの顔」は私的には「ガソリンタンクとメーター」ではと思っております。

中でも私は昔からメーター周りは「顔」として非常に重要な要素と思っております。

そのメーターも絶対、アナログ!

そこには、とあるライダーがこれからバイクで出かける時の、あるワンシーンで感じ取れます。

まず燃料コックをオンにする

キャブレターのチョークを引く

キーはOFFの状態でキックを2,3回踏む

ここでキーをONにする

そしてキックをピストンの上死点辺りから一気に踏み込みアクセルグリップを捻る

「ウォーン・・・ウォーン・・・・・・」

エンジンが咆哮と伴に目を覚ます

同時に回転計の針がアクセルグリップに合わせて上下に踊り出す

アクセルを戻しアイドリング状態で回転計の針は800rpm辺りでウズウズしている

「さぁ相棒!今日も風になって気持ち良く走ろうぜ!」・・・

と、芝居染みた昔の臭いワンシーンの様子を表現しました。

この雰囲気は映画「マッドマックス」のワンシーンで「不死身のグース」がKAWASAKI Z1000?だったかな?・・・で単独任務に出かける時にあったような・・・

まぁ男臭い、バイク乗りの男の内面を表現するのにはバイクのタコメーターの針の動きは外せません。

そのぐらいバイクのタコメーターには針の動きは大事です。

で、今号は「なぜメーターなのか?」ですが

先週末、毎度の月ヶ瀬でこんなメーターを見てしまいました。

右のタコメーターはレッドゾーンが12250rpmから?

ちょっと反射で見にくいですが・・・

それよりも私が食いついたのはアナログ速度計の表示が340km/h表記!

今時のバイクは普通に300km/hオーバーが出るのはあるのですが、デジタルメーターです。

しかしアナログメーターでこのスケールを目の当たりにすると思わずオーナーのMa〇さんに

「出るの?」って聞いてしまいました。

返答は「△□☓※〇ЖΦ・・・」でした。

私的には旧車ばかり乗っておりますので一般道でアナログメーターでこのスケールは初めて見たような気がしました。

私の感想は「メッチャ、かっこエエなぁ~」と思ったわけです。

そして他にもいないかなと周りのバイクを探すも大型2輪は1台を残して皆、デジタルでした。

その1台のメーター!
常連の“八ちゃん”さんのKAWASAKI Ninja?のメーター周り

やはりタコもレッドゾーンは10500rpmからの高回転型です。

しかし速度計の280km/hスケールは、さほどビックリはしません。

でも、これが1970年以前であれば衝撃的で巷では大騒ぎになっていたでしょう!?

そんな70年以前で大騒ぎを引き起こしたバイクが1968年?発表のHONDA CB750です。
この画像はT-PADDOCK630が所有します69~70年発売の金型エンジンのCB750 K0のメーターです。

当時CB750が発売された時、高校生の私はバイク屋で展示されてるのを見た瞬間・・・

「なんじゃ、こりゃ!」と、その車格の大きさに先ずビックリします。

そして当時の“バイク好き達”が絶対、真っ先に見るのがメーターなのです。

「わぁ~、200km/h以上出るで!」と大騒ぎ!

と、時代のひとコマを思い出されます。

このCB750のメーター、それもK0になると今やビックリするほど高値で取引されております。

私も数年前、積算計のトリップが不動になり、ついでにメーターのレストアを専門業者に出しました。

しかし、トリップのカウンターギア?の入手が不可能で、その業者も製作するには「一個が6,7万以上」するとのことでした。

それも「造るにしても相当数のロットが必要ですから今は造れません」との状態でした。

話しを戻して・・・

他にも当時のバイクでT-PADDOCK630が所有しますバイクのメーターでお気に入りは・・・
YAMAHA初期型XS-1のオリジナルメーター!

速度計、回転計とも好きな感じなのですが、どちらかが後期型で不揃い。

よって現在はさらにお気に入りのメーターセット!
英車風のメーターで一見、針が逆回転をするかのように見間違うレイアウトのメーターセット!

また同じ大型車のKawasaki W1Sのオリジナルは
悪くはないのですが各メーターの目盛のピッチが荒いのでややチープに見えます。

よって雰囲気のあるメーターに年代の古いモノがありました。
1965年のKawasakiの前身、メグロ500K2のメーターをレストアしてしばらく乗っておりましたが、やはりタコメーターは欲しいことから・・・

よって、またもや換装!
タコメーターの回転数は下が0ではなく2000rpmがスタートです。

よってW1の「ドッ、ドッ、ドッ・・・」という700rpm前後では2000rpm辺りで針が音に合わせて振れているだけです。

しかし雰囲気的には私はお気に入りです。

次はCB72(77)のメーター
72(ナナニ)と言えばメーターは「喧嘩メーター」と言われるほど有名。

それは針が左右から立ち上がって衝突するかのように見えることからついた通名です。

しかし、私のCBは海外から走行距離が約3800マイル(実走)と低走行距離で見つかった為、喧嘩メーターの年式車よりエンジン等の質を優先で若い年代を入手しました。

よってカリフォルニア時代のマイル表記です。

また同じくマイルメーターでは
YAMAHA RT-1のアメリカ仕様のメーター!

このメーターもCB750と同じ業者でレストアをしてもらいました。

RT-1は250ccのDT-1が爆発的にヒットしたので海外向けに360としてUSA先行で発売されました。

しかし、日本では「250でもじゃじゃ馬で持て余すのに360なんて・・・」という理由で販売数はそれほどは伸びず。

よって、現在ではRT-1は玉数が少ない事から希少車。さらに海外モデルはさらに希少車!

という理由で海外モデルとハッキリ認識できるようにマイル表示でレストアをしました。

次はT-PADDOCK630のシングルメーター

先ずは
CL72(77)

CLは日本で初めてHONDAが「ストリート・スクランブラー」というコピーでジャンル化し販売したバイクです。

このメーターも同業者にてレストア済!

また次のバイク、1955年辺りのドイツ製NSUのシングルメーター
当のNSUのメーターは車両がレース用の為、オリジナルは元々ありませんでした。

よって私的には超お気に入りのスタック社製タコメーターを装備。

このタコは4000rpmまでがクロノメトリック動作で4000rpm以上では正確さが求められることから通常動作でシビアな高回転域に対応する設計になっているそうです。

とにかくお値段は、いい値をつけていました。

そして
イタリアが誇るDucati Mach1のメーター!

現在はメーターケーブルが欠品の為、不動状態です。

Ducati繋がりでは・・・
2000年にメモリアルとして世界2000台限定で発売されたDucati 900MHe!

このドゥカは先代の78年にマン島TTレースで優勝したマイクヘイルウッドの記念モデルMHRの後継として発売されたモデル!

ここで私が感じたことは

「ドゥカティはよう分かってるわ!」

「このモデルがもし計器類を全てデジタルメーターにしてたら買わんかったやろなっ」と!

やはりカウルのど真ん中にアナログ表記のタコメーターを持ってくるのはイタリア人はバイカーの気持ちをよく分かっていると思ったからです。

ちょっと生意気な言い方をすればファッション的に観ても開発陣、もしくは企画側のディティールへの拘りでしょう。

また同じくイタリアですが・・・
何のメーターかわかります?

T-PADDOCK630では新参もんです。

Vespa P50 Ape(アペ)という三輪トラックです。

このApe、ノーマル車は50ccで最高速度35km/hですが積載量はなんと200kgも載せられるのです。

当方のApeは今のところ40km/hは余裕?で出ています。

と今回はバイクのメーターというジャンルに絞って綴ってきましたが、改まって今の世の中を見渡しますとクルマはAI搭載で近い将来、無人で運転が可能になるとか・・・

電化製品もAI化して「スマート○○・・・」など、確かに便利にはなっていくようです。

しかし反面、トースターや白物家電が1960年代に寄せたノスタルジックなデザインや機能をシンプルにした家電に人気が集まって売り上げも顕著に伸ばしているようです。

そこには便利でなくてもお洒落で使いやすい方が良いという人の心理が働いています。

家電とは一緒にできませんが、バイクそのものも一考の余地があるのではと思います。

ではまた!
T-PADDOCK630 T/Tatsumi

0 件のコメント:

コメントを投稿