これからの乗り物のキーワードは「マス・カスタマイゼーション」であること
ある経済誌の資料集にあった一文に目が留まった
どういうことか
それは「実用的価値」と「情緒的価値」
どちらの市場向けのクルマであっても「マス・カスタマイゼーション」だという
これからのクルマの世界を予見した表現だ
「実用的価値」とは代表的な一例として「移動」が目的の場合は自家用車よりもはるかに実用性の高い自動運転技術を活用した「無人タクシー」などへと需要は傾斜していくだろう
と予測を立てている
一方で「情緒的価値」は「所有」することに喜びを感じる情緒的な価値を追求した市場も残るはず
と説く
その「所有」することの喜び・・・
ここに自身は喰い付いた
ただ経済誌の「マス・カスタマイゼーション」を直訳すれば
「個々のニーズに合わせた製品・サービスを大量生産で販売すること」
になる
これでは「所有する喜び」は半減すると思うのだが・・・
この自身の解釈は、まぁどうでもいいだろう
言いたいのは経済誌の内容を意訳すれば
「所有することに喜びを感じる情緒的な価値を追求した乗り物」
となるはずだ
真に「旧車」ではないか
ただ、正統派な?心底の?旧車ファンと言える人間は今の旧車ブームの中ではどれだけいるのだろうか
先週の月ヶ瀬には「情緒的価値」??になるのかは分からないが、こんなバイクが来た
ローダウンでカリカリにチューンした125ccのエンジンを積んだDAXだ爆音を奏でての登場だった
オーナーさんは40歳過ぎだろうか、爆音には似つかわしくない一見大人しそうな方だったが厚かましくも話を伺うことができた
う~ん、トラックがロボットに変身する映画のトランスフォーマーの心臓部のようだそして
ワンオフと言われた?と思うが爆音マフラースイングアームはローダウンにする為、ご自身でショートサイズにカットし溶接されている
しかし、前後スプロケの「センター出し」はけっこう苦労されたとか
フロントも凄い
フロントフォークはモンキー2.5(にぃてんご)代目のZ50Zのフォークをカットして移植
さらにブレーキは前後ブレンボを使用
ハンドル周り
それにしてもハンドルのハの字がスコブル、タイトなところに各インジケーションをレイアウト
であるのだが各パーツを着けるステー類の製作や調達だけでも半端ない
因みに費用もお聞きした
なんとご自身の作業代は含まず約130万ほど掛っているとか
男前だ
さらに思うのは、たぶん手先が繊細で器用な方なのだろう
おもわず失礼ながらお仕事も尋ねてしまった
悪い癖だ
お仕事は「金融関係です」と笑顔で答えられ某信用金庫にお勤めだそうだ
なるほどお金には困っていないようだ
手先が器用で独学で往年の名車をカスタムしている人間は月ヶ瀬に他にも来ていた
単独では初めての月ヶ瀬詣でだっただろうか、ヤングのNak〇君だNak〇君とはT-PADDOCK630サイトから当ガレージに訪問いただいて知り合いになった
「不動のDucatiシングルを手に入れたのですが・・・」
から始まって、わかる範囲でアドバイスをさせてもらった
その時はバイクの知識は全くの素人だったのが相当、勉強をされDucatiシングルに関してはヘタな旧車乗りより情報共に上達していた
その情報では関東方面でDucatiシングルの達人の方にも指南をしてもらったようだ
その証拠にエンジンも腰下まで開け、シフトフォークの爪先欠けも修復したりしながら不動のエンジンを快調になるまで仕上げていた
なかなかのナウい青年だ
速度計は、なかったがVEGLIA製イラスト版タコメーターは遊び心で備わっていたということは計器類はまったくのゼロである
まぁお巡りさんに捕まらいことを祈っておこう
他にも例えば各ワイヤーが無ければ合いそうなワイヤーを見つけ長さを合わせてカットする
そしてカットしたところでタイコをロウ付けする
言えば簡単だが特にブレーキワイヤーともなれば、ロウ付けが甘くて「タイコからワイヤーが抜けた」
考えただけでもゾッとすることであるがNak〇君は事も無げにやってのける器用さを持ち合せているようだ
前述のDAXの方同様Nak〇君の手先を拝見した
やはり想像通り掌を水平にして横から見ると指先は反り返っていた
器用な証拠だ
話しは逸れるが外科医の手術が上手い医者は殆どが指先は反り返っているらしい
話しを戻して
ここまで「情緒的価値」を持つ2台のバイクを取り上げた
この2台のバイクに共通するのは賛否は問わず明らかに「唯一無二的なバイク」を所有していることである
「マス・カスタマイゼーション」の考え方には「所有する喜び」があったが、やはり唯一無二であればあるほど喜びと満足感は増幅していくと思う
それは旧車ブームの中でも顕著に表れている
希少車であればあるほど価格と満足度が比例していることである
しかし、ここ最近は投資家も入っていることから矛盾も起き出している
よって「旧車は価値がある」とは今では素直に言えない部分も見え隠れしている気がする
正統?に価値も含めて旧車と言えるバイクが同日、月ヶ瀬に来た
Tog〇さんが久々に乗って来たDucati 900SS1975から1982年にかけて販売された名車だ
イモラ・レーサーレプリカ750SSの後継車として開発され当時では公道の王者と言われた
当日は先のNak〇君にグッドタイミングで紹介させていただいた
「これが旧車だ」と・・・
そしてTog〇さんは、ほぼ新車状態の当時から所有されているエンスーであることも、さも自分の事のように説明していた
だが、この900SSでTog〇さんが自宅から出てくる時、キック始動でケッチンを食らい足を痛めたと仰っていた
そうなのだ!
歳を重ねると旧車は体力がないとだんだん乗れなくなってくるのだ
そういうところの人様の様子を聞いて最近、旧車から離れだしている自身を慰めている嫌なジジィになっているのに気が付いている
う~ん
ジジィには「情緒的価値」もなく、ただ「情緒不安定」なだけだ!
T-PADDOCK630 T/Tatsumi
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