2022年3月31日木曜日

『Bike in the sky』#278 えぇ~、落ち込んでる時に

桜が満開に咲いている

3月の春風に呼応して一気に開花したようだ

毎年、幾度となく目にしてきた風景だが気持ちはやはり癒される

一方、遠い国の血なまぐさい戦争ネタにはウンザリしている

同時に小学生から大学生まで、またいろんな学び舎から卒業を終えた者が次のステップに進んでいく

そして4月に入れば社会人になる者も含め新一年生が各所で目にすることになるだろう

こんなパラドックス的な感情の日本の将来には些かの憂いを感じずにはおれない

やはり歳と共に気持ちもただの捻くれたジジィになっている

いかん、いかん

気持ちにリセットをかけよう

だが、リセットのネタは結局、淋しい話しになりそうだ

1966,7年頃生産のT-PADDOCK630のCL77が、いよいよ旅立つ時がきたからだ

2000年頃だったが、娘が「私もバイクに乗りたい」で、岡山で見つけた
バイク探しで娘に乗らせるとなると現行車の方が良いのだが娘は「私も旧車に乗りたい」と

で、あるならばカッコ良さと取り回し、足着き性などで、このCLの写真を見せたら

「わァ~可愛いィ~」と娘は二つ返事で即決

購入から数年、娘はセミレストアをかけたオリジナルで乗っていたが結婚を機にお鉢が順番を待っていたわけではないが私に回ってきた

そこからノーマル状態のCLを定期的に乗っていたがエンジンの調子が少々愚図り出した2016年、ピストンもオーバーサイズに変更と相まってエンジン内をフルオーバーホール

そして見た目をカリフォルニアスタイルにアレンジをかけた

それから6年を経た昨年辺りから熱狂的なCL愛好家が現れた

T-PADDOCK630のバイクはWeb Siteでもインフォしているように売りには出している

しかし、昨年から毎月一台づつ買って頂いてガレージから消えていく様は歳がいくのと同時に寂しさは禁じ得ない

それは解っていたことだが・・・

そして、いよいよ今週末には引取りに来られる

先週からは真に娘をお嫁に送り出すが如く、CLを迎えて頂く方が気持ち良く乗って頂く為にフロントタイヤを交換したり軽整備に余念がない
現状のフロントタイヤはCLをカリフォルニア風にした為タイヤ幅を3.25から4.00インチにした極太サイズ

しかし、この4インチ幅のブロックパターンのフロントタイヤはバイクに相当慣れている人間であっても路面の轍や縦方向に数メートル走るアスファルトの1cmほどの段差などでハンドルが急に取られることから恐怖を覚える
特にハンドル巾がノーマルの約800mmから230mmも狭い570mmの寸法では当然の挙動に驚かされる

そんな理由を購入者に説明するとサイズを戻して欲しいとなった

そしてノーマルパーツを整理してお渡し準備

先ずサイドカバー等の外装品
傷が付いてはいけないモノはプチプチで保護

余談だが、この「プチプチ」をホームセンター売り場で見るとその売り場の案内板には「プチプチ」とある

いわゆる「一般名詞」になっていたのには驚きだ

話しを戻して
前後のフェンダー

シートやハンドルとチェーンケース

これらの重量パーツだけで数十キロの重さがある

ということは現状のCLは相当、軽量化されていることになる
その他交換パーツや備品等

最後は
昭和58年に手に入れられた方から譲ってもらったCLのパーツリスト

このパーツリストがあればエンジンの分解組立やパーツの手配で至極重宝する

ヘタなパーツより貴重なシロモノなのだ

さらに中古バイク屋でも見かけたことがないのが現車の、それも半世紀もの時を経た現車のパーツを換えた時期及び整備記録をお渡ししている
このドキュメントを渡そうと思ったキッカケは、もし自分が旧車を手に入れた時、現状はどんな状態なのかは絶対知りたいと思う

さらに不具合があっても正直に記載されている方が信頼がおける

と、またもや自画自賛のジィさんがそこに居た

そしてT-PADDOCK630のガレージを見渡すと
冬の寒気が戻って来たような寒々としたコレクションホール

まさに自身の心の内のようだ

と、項垂れている時に電話が入る

「あのォ~、お待たせしてるBeckなんですが・・・」

「おッ!出来上がったかな?!」

「それがぁ~・・・」

「えぇ~・・・」

T-PADDOCK630 T/Tatsumi

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