2022年9月29日木曜日

『Bike in the sky』#304 乗りたいモノの「乗りたい」とは?

先日、新聞でトヨタの「クルマづくりの考え方」が二日に渡り上・下巻で掲載されていた 

内容をダイジェストで紹介すれば

・「消去法の末に選択される車」から「乗りたい車、買いたい車」へ・・・

・そこには自社開発したスポーツカー「GRヤリス」の進化版「GRMNヤリス」が、いまトヨタが目指すクルマづくりを象徴するモデルだという

・普通ならレース用の車は市販車をもとにつくられるがGRヤリスは「モータースポーツ用の車を市販化する」という逆の発想で開発されたとある

・結果、標準仕様で700万円の「GRMNヤリス」500台限定発売と発表したが応募者は1万人を超える応募が殺到したとか・・・

また二日目の記事は

・「売れる車」から「乗りたい車」へ・・・

・世界販売首位を重視する従来の戦略から「もっといいクルマづくり」を掲げ、その象徴が「スポーツカーの復権」だと豊田章男社長の弁

総論として「レース技術を市販車に」と書かれていた

自身としては大いに期待したい

またテレビでは視聴された方も多いと思うが「F1撤退後の今後のHONDA」の1時間番組があった

感想を簡単に言えば「HONDAのF1技術開発陣はスゴイ」の一言

特にF1最終シーズンの最後の戦いでは「絶対勝利」を勝ち取るまで開発陣が一丸となって日々の中で全員がどんなヒントも見逃さなかった点は”鳥肌もん”だった

そこには最終参戦用F1エンジンのノッキング(異常燃焼)する開発段階のコンピューター画像に写るシリンダー下から大爆発する映像から

「うん?」

「ひょっとして・・・」

簡単に言えば燃焼室を超極少にしてノッキング状態の燃焼を作り出し驚異的なパワーを得たという点だ

なんでそうなるかは素人には理解できないことだが結局、有終の美を飾ってF1に幕を下ろした

また、その裏ではHONDAがレースに勝つ為、独自のバッテリー開発もしCO2排出を限りなく減らせることにも知見を得ている

そして、今後のHONDAとして「F1で培ったノウハウを市販車に流用したい」で番組は終わった

その最後でHONDAのF1開発責任者の言葉が

「これからのクルマづくりの流れは電気に向かっているが今回で得た技術は今までのレシプロエンジンでも十分、CO2は減らせる」と

これを聞いた時、そう言えばトヨタも「水素燃料はレシプロエンジン車に使える」とHONDAと同様の事を言っていた

日本を代表する世界的二大メーカーの考え方に身震いを感じる

「温故知新」の「古きをたずね新しきを知る」ではないが自身としては、どうも電気自動車のモーター音だけの色気のない乗り物には興味はそそられない

また、電気自動車に限らず今時の乗り物はスタイルが同系で個性がない

となると「乗りたい車、買いたい車」は昔のクルマにヒントがあるのでは・・・

前段が長くなったが・・・

T-PADDOCK630の主は真ッこと現行車には興味をそそられない

上の画像のBeckは既に入手してから35年ほど経過しているが、まったくの”飽き”を感じることはない

構造もフレーム、エンジン共に約70年前の仕様のままだ!

120km/hぐらいの巡行は普通にできる

そんな話しやらをご近所のTak〇さんと談笑していて「ちょっと乗ってみる?」で無理やり乗ってもらったのが上の画像だ

今週は他にもBeckを洗車中に・・・
近くの産大に通う一回生の兵庫出身の〇〇君だ

洗車中、何やら背後に人の気配が気になり振り向くと・・・

自転車に乗った青年がジッとこちらを観ている

「メチャメチャ、かっこエエ車ですねぇ」と第一声

で、「クルマ、好きなん?」と声をかけると・・・

「いやぁ~特に好きって事はないんですが興味はあります」

と、なんと中途半端な物言いなのか

そして、ガレージの方にも目が行っていたので

「中も観るか?」と誘ってみると

今度は元気よく満面の笑みを浮かべながら「ハイ!」と二つ返事!

で、「バイクは好きなんか?」と尋ねると

「いや~、免許もないですし、そんなに興味はないです」と、またもや・・・

これが今時の子なのだ!と、少々イラっとした

でも、この学生君は「写真撮っていいですか?」と許可を求めバシバシ撮って行った

というように今の乗り物にはまったく興味を示さない若い世代でもBeckのような古いテイストの乗り物には興味を示している

少し偏見かもしれないが、こういう子が今後の消費対象者になるとマーケティング考察から見間違うと「モノづくりはやはり無難なモノになるのかなぁ」と感じる

まぁ、そこがメーカーの読み違い?と思うのだが・・・

また、バイクでも同じことが言えるように思う
先日、日曜日の月ヶ瀬の様子だが一気に気候も良くなって大勢のバイカーが集結していた

その中で
門真在住のTan〇さんがトライアンフの新車で来ていた

トライアンフと言えばボンネビルに代表される往年の名車がある

だがトライアンフと言えども現行車は画像のようにエンブレムを外すと、メーカー名が分からなくなるデザインだ

とは言え、自身も現在の体力との兼ね合いで新旧を問わず乗り易い今時のバイクも探している

と言って乗り味だけでも試乗はしてみたいと思ったが合いにくBeckだったので軽装ゆえ断念

代わりに月ヶ瀬信者のMats〇さんが乗ってくれた
感想は「非常によく回るエンジンで楽しかった」とのこと

なのだが・・・エンジンは良しとして、やはりデザイン的に・・・

「トライアンフやったら、もっと『らしい』デザインが出せるやろォ!」と思ってしまう

そこには日本が昭和のバイク造りで大きく影響を受けた海外のバイクに範を求め学習した時代があった

ドイツのBMWを参考に大東精機のDSKや英車のトライアンフやBSAを参考にメグロ、後のKawasakiW1などなど

だがコピーと言われないよう各車、独自性を出そうとする気概は自身がまだ未熟ながらも感じ取れてはいた

その海外勢バイクを参考にした動くシーラカンスと揶揄されるW1のミーティング&ツーリングが先週土曜にあった
自身は毎度のW1S Super Specialで参加した

集合は東吉野村、小学校廃校跡の「ふるさと村」だった
周りの景観は非常に気持ち良い所だった

そして参加車両だが当然W1のミーティングなのでW1ばかりにはなるが、それなりに年式や個性で差異はある

まず
1966年、王道を極めた初期型シングルキャブの47ps、水中メガネメーター、タイコウィンカーのW1

1968年 2代目になりツインキャブ、タックロールシート、セパレートメーターやフェンダーのショート化で軽量化が図られ出力も53psと向上する

続いて3台目が1971年の上画像真ん中に小さく映る赤黒ツートンタンクのW1 SAである
このシリーズから左ブレーキペダルが右ペダルのスタンダードになる

そのSAで
W1S仕様にしたライダーは巷ではけっこう多い

最後のシリーズで
1974年、フロント両面ディスクのKawasaki650RSとなりW1の呼称は消えた

前年の1973年に発売された750RS-Z2はフロントディスクはシングルなのだ

RSと並べた呼称でKawasakiの苦悩ぶりを感じる

他には
W1Sだが、エイジングWとでも呼ぼうか、タンクやサイドカバーなどの塗装が剥げ出し、サビで穴も開いている

あえて年代物仕様にしているのか
ヘッドライトケースも錆サビだ

まぁ個人の自由なので何も申し上げないでおこう

最後は
即車付のW1SAだ

サイドカーでは本体のフロントフォークに必須のアールズフォークに換装されている

この仕様は自身が53年前の若かりし頃、乗っていたW1に着けようとアルバイトを必死でしたことがあった

結局、思い出せないが何かで計画は頓挫し話が流れたほろ苦い思い出がある

集合、出発の11時過ぎには20~30台のWが集結し、ここから三杖の道の駅まで約30kmほどを皆でツーリング

これだけのWで一斉ツーリングはなかなかの迫力がある

久しぶりのツーリングで楽しい時間を過ごせた

今回はトヨタとホンダの乗り物に掛ける情熱の話しから、たまたまW1という旧車に話を合わせた

W1が良いということではない

W1はどう転んでもけっして速いバイクでもない

言いたいのは冒頭の「乗りたい車」同意語の「乗りたいバイク」の一つにあるという事だ

便利で快適で燃費もよく、なんの不自由もない現行車にホンダやトヨタは危機感を募らせている

自身も危機感は持っているが持っているだけで何の役にも立っていない

それより、こんなジジイが乗りたいバイクやクルマが出てくるまで寿命は残されているのか

違う悩みがまた増えたではないか!?

T-PADDOCK630 T/Tatsumi

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